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51%の真実

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米DirecTVの衛星放送終息に思う

 アメリカではテレビ放送は有料で見るのが当たり前で、ケーブルテレビか衛星放送のどちらかを契約することになる。アメリカ全土にケーブルを敷設するのはコストの面から非常に困難で、全土をカバーできる衛星放送は魅力的な放送インフラであった。しかし現在ではブロードバンドインターネット網が出来上がり、放送コンテンツの世界配信も安価にできるようになって来た。

 アメリカでの衛星放送は、契約者世帯数2000万強で1位のディレクTVと1400万弱で2位のディッシュ・ネットワークがあるが、どちらもNeflixやAmazonnなどのネット動画配信サービスに圧され契約者数が減少傾向である。このような背景もあり、両社とも近年は動画配信にも取り組まざるをえなくなっていた。

 そのような状況の中で、20015年頃から米通信・放送分野では業界の垣根を越えた様々な企業間での再編が進められており、2015年7月にはAT&TによるディレクTV買収が完了した。そして動画配信にも力を入れ始めたのである。

(1)「
AT&T、ネットテレビ配信サービス「DirecTV Now」を年内提供へ」(WirelessWire News 2016/9/23)
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 米携帯通信市場2位のAT&Tは現地時間21日、インターネット経由のテレビ配信サービス「DirecTV Now」を今年中に提供する考えを明らかにした。
 AT&Tは2015年に衛星テレビ最大手のディレクTV(DirecTV)を買収し、同年末には「DirecTV Now」の計画を発表。さらに今年3月には同サービスの概要を明らかにしていた。<中略>
 AT&Tはいまのところ「DirecTV Now」をケーブルテレビなど何らかの有料テレビサービスに加入していない約2000万世帯に向けたサービスと位置付けているが、Bloombergでは関係者の話として、AT&Tが今後3〜5年以内には同サービスを動画コンテンツ配信の主要なプラットフォームにしたい考えと伝えている。
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 しかし、買収されたのが通信大手のAT&Tであったことが災いし、DirecTVの衛星TV事業の寿命を一気に縮めてしまったようだ。放送衛星の寿命は最大で10年程度であり、事業継続の為には新しい衛星を打ち上げた後、5年程度で次の衛星の開発を始め準備する必要がある。その為に数百億円規模の費用が掛かり、ブロードバンドストリーミング環境が格安で提供されるようになった現在では、コストメリットが無いと判断されたのではないだろうか。また、動画配信サービスの方が事業者側の運用面のコストやオンデマンドなどユーザーの使い勝手が良いことも考慮されたと考えられる。

(2)「
AT&T、衛星TV事業を2020年までに終息・今後はネット配信方式に転換へ」(Business Newsline 2016/10/2)
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 米通信大手のAT&Tが子会社のDirecTVを通じて提供している衛星TVサービスを2020年までに終息させ、今後はスマートTVを通じたオンライン配信方式に切り替えを予定していることが判った。
 米国のほとんどの消費者は、ケーブル方式か衛星方式による有料TV(いわゆるケーブルTV)の契約を結んでいるが、ケーブルTVの加入者の間ではこのところ、Netflixなどのインターネット経由のストリーミング方式の有料TVに移行する動きが続いていた。<中略>
 衛星放送大手のDirecTVが衛星放送を終息することにより、80年代から本格化した既存のケーブル放送にかつては代わるものと見られることもあった衛星放送は、ケーブル放送よりも先に、過去の技術となる可能性も生じてきたこととなる。
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 今回のDirecTVの衛星放送終息のニュースには、まさかという思いといっしょに、やっぱりそうだよなという思いがすぐに浮かんだ。

 それとともに、ディッシュ・ネットワークや日本のスカパーJSATも、このニュースをどんな気持ちで見たんだろうかと考えた。時代の流れというのは残酷なんだなぁと改めて感じた出来事であった・・・


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Category - テレビっ子&ネット民

ディレクTV(DirecTV) 衛星放送終息 ディッシュ・ネットワーク スカパーJSAT AT&T

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