51%の真実

ARTICLE PAGE

全ては憲法改正に繋がっている ~TPP/駆けつけ警護/解散~

 11/3は文化の日であった。「自由と平和を愛し、文化をすすめる」ことを趣旨としているが、この日に制定された背景は「日本国憲法が平和と文化を重視している」ことにある。

 日本国憲法は1946年(昭和21年)11月3日に公布され、半年後の1947年5月3日に施行された。その後1948年に、それぞれ「文化の日」と「憲法記念日」として国民の祝日に制定されたのである。(実は最近テレビで良く憲法の話題が出ていたので調べてみた。それまでは失念?していた。面目ない・・・)

 さて、TPP承認案は強行採決することなしに11/4にすんなりと衆院通過、会期延長して12/3に自然成立できるはずであった。しかし11/1の山本農水相の2度目の失言により、もしかしたら8日に強行採決をしなければならない状況に陥った。民進党は恵みの雨とでもいうべきこの山本農水相のアシストを、絶対に無駄にすべきでない。

(1)「
4日の衆院本会議採決を断念 政府、週明け目指す」(毎日新聞 2016/11/3)
----
山本農相の「冗談」発言を受け
 政府・与党は2日、山本有二農相が環太平洋パートナーシップ協定(TPP)承認案・関連法案を巡る発言を「冗談」とした1日の発言を受け、4日の衆院本会議での採決を断念し、来週に先送りする方針を固めた。8日の採決を目指す。<中略>
 与党は4日の特別委採決を目指すが、山井氏は「断固たる対応を取る」と強調。民進党の野田佳彦幹事長は2日夜、山本氏に対する不信任決議案の提出(注1)について、記者団に「4日以降の動きによっては視野に入る」と語った。 <後略>
----
(注1)強行採決に関する失言も2度目で言語道断だが、黒太字の利益供与を連想させる発言の方がより不信任に値するだろう。
農相発言で採決見送り 4日通過は不透明に」(毎日新聞 2016/11/2)
----
<前略>
■1日夜の山本有二農相発言のポイント
・こないだ冗談を言ったら(農相を)首になりそうになった
・森(喜朗元首相)先生から固く禁じられている。これ以上、いらないことは言ってはいけない
・JAの方が大勢いらっしゃるようなので、明日でも農水省に来ていただければ、何か良いことがあるかもしれない
----



 安倍首相の最優先の目標(悲願)は「憲法改正」の実現である。確かにTPP批准も、米国に影響力を行使し安倍首相のリーダーシップを世界に示すという点で今国会での成立は重要ではあるのだが、TPPはとっとと片づけて「憲法改正」の議論に入りたいというのが本音だろう。(日本が今国会でTPP批准しようがしまいが、米国や他の協定参加国で6か国以上の批准が簡単に進むとは思えない。)

(2)「
TPP法案、4日衆院通過へ 政府方針、今国会成立濃厚」(朝日新聞 2016/11/1)
----
<前略>TPPをめぐっては、米大統領選の候補者2人が反対の立場を表明。日本政府は8日の大統 領選までに衆院通過させることで、次期大統領に再交渉を要求されても応じる考えがないこと を示しつつ、オバマ政権には残り任期のうちの批准を後押しできると考えている。
 安倍晋三首相も10月31日の衆院特別委員会で、「このまま無為に時を過ごせば、(次期 大統領から)再交渉を求められる事態にもなりかねない」と米大統領選に言及した。ただし、 米議会での反対論は根強く、日本政府の思惑通りにことが運ぶかどうかは不透明だ。
 協定が発効すれば、経済規模で世界の4割を占める巨大経済圏が生まれる。発効には「域内 GDPの85%以上を占める6カ国以上」の批准が必要で、日米の批准が不可欠になってい る。協定参加の12カ国で国内手続きを完了させた国はこれまでに一つもない。<後略>
----

 安倍首相は衆参両院で改憲勢力が3分の2以上を占めている状態で、「憲法改正」の議論に出来るだけ多くの時間を費やせるようにしたいと考えているに違いない。従って、もし次期衆院選でも改憲勢力が3分の2以上を取れると確信できるタイミングになれば、何をさしおいても解散を最優先させる可能性があると思っている。

(3)「
<論点>シリーズ憲法70年 何から考えるか」(毎日新聞 2016/11/2)
----
<前略>
衆院審査会 10日に審議再開
 衆院憲法審査会は10日、審議を再開する。自民党憲法改正推進本部の保岡興治本部長は野党時代の2012年に発表した同党憲法改正草案を、衆参両院の憲法審査会には提案しない方針を示した。民進党が同草案の撤回を要求していたことに配慮し、今後の両院憲法審査会での議論を軌道に乗せるためだ。自民党は両院の憲法審査会で議論を重ねながら、与野党が一致できる憲法改正項目を探る構えだ。 <後略>
----


 次に南スーダンPKOに派遣されている自衛隊への「駆けつけ警護任務付与」だが、こちらは1日に追加視察した柴山昌彦首相補佐官のを報告を受け、15日に閣議決定する方向だ。

 南スーダンの現状を考慮するとこの判断は非常にリスクが高く、自衛隊員が戦闘に巻き込まれ最悪は戦死者が出てしまう危険がある。万が一にでもそんなことが起こってしまえば、安倍首相が悲願とする「憲法改正」も元の木阿弥になってしまう可能性がある。それなのに、活動範囲をジュバ周辺に限定したり、他国軍を駆けつけ警護しない運用方針案を作成してまでも、今「駆けつけ警護」を付与することにこだわっている。これは一見「憲法改正」最優先とは矛盾している様に思われる。

 しかしよく考えてみると、そもそも安倍首相が「憲法改正」にこだわるのは「9条改正」し戦争のできる国にする為であった。しかしこれはいくら日本が右傾化して来ているとはいえ、安倍首相の手で実現できる可能性はほとんどない。

 そして、解釈改憲により昨年9月19日に成立した「安全保障関連法」で、自衛隊の実質軍隊化の野望はほぼ達成されてしまった。「9条改正」が叶わずとも、国民が納得する条項で改憲できれば後世に安倍首相の名を残すことができる。もし「緊急事態条項」を憲法に盛り込めれば万々歳といった感じだろう。

 そうなると、やはり今直ぐにでも自衛隊に武器を持たせて駆けつけ警護させてみたいと、安倍首相が考える気持ちはわからなくもない。(自分が欲しかったものが手に入った時の気持ちを思い出すと、不謹慎だが非常に良く解る気もする・・・。)

(4)「
駆けつけ警護付与、15日閣議決定へ 南スーダンPKO」(朝日新聞 2016/11/3)
----
 政府は、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)の派遣部隊に安全保障関連法に基づく新任務「駆けつけ警護」などを付与する方針を固めた。今月15日に閣議決定する考えを、複数の与党幹部に伝えた。<中略>
 付与の判断にあたっては、現地の治安情勢と派遣部隊の訓練状況を重視。一方、付与した場合は自衛隊の活動範囲をジュバ周辺に限定するとともに、運用方針案を作成。他国軍を保護するのは基本的に現地政府や国連の歩兵部隊だとして、「施設部隊の自衛隊が他国軍を駆けつけ警護することは想定されない」とするなど、自衛隊員のリスク低減策も盛り込んだ。<後略>
----


 最後にいつか憲法改正の国民投票が行われるとして、最近の国政選挙の投票率を見ていると、投票率が上がらず国民がほとんど参加しない状態で改憲が決定されることが起こりえると危惧している。

 このような状況では、国民投票に関して「最低投票率制度」の導入は是非とも実現して欲しいと思う。私は最低でも50%、可能なら60%~70%の投票率が必要と考えている。

(5)「
最低投票率が議題に 国会の憲法審査会」(毎日新聞 2016/11/3)
----
 国会の憲法審査会で、憲法改正案の賛否を問う国民投票に関して、「最低投票率制度」の導入が議題になる見通しになった。<中略>
 憲法改正は衆参各院の3分の2以上の賛成で国会が発議し、国民投票で過半数の賛成を得れば実現する。
 最低投票率制度を設けると、国民投票が一定の投票率に達しなかった場合は不成立になる。低投票率だと結果の正当性が担保できないとして、国民投票法の参院審議の過程で民主(当時)、共産、社民党が制度導入を主張した。 <中略>
 上智大名誉教授の高見勝利氏は「最低投票率に満たなくても、改憲案が否決されたわけではなく、改めて改正手続きを踏めばいい。国民がほとんど参加しない国民投票では、本来の憲法改正の理念とずれてしまう」と述べている。 <後略>
----



追記 2016/11/7
解散総選挙について、以下のエントリーに最新予測を書いていますので、よろしければ覗いてみて下さい。
TPPと日露首脳会談から読む解散総選挙の確率



スポンサーサイト
Category: 政治
Published on: Fri,  04 2016 00:00
  • Comment: 4
  • Trackback: 0

憲法改正 9条改正 緊急事態条項 TPP承認案 TPP関連法案 南スーダンPKO 駆けつけ警護 最低投票率制度

4 Comments

山田  

No title

11月8日の米大統領選でもしアスペルガーのトランプ氏が当選すれば、
安倍首相は今月中に衆院を解散するでしょう。
TPPヤケクソ解散。

11月10日解散だと12月4日投開票、
11月21日解散だと12月11日投開票
になりそうです。

2016年内総選挙で与党は衆院で318議席(3分の2)以上は確実に。

安倍首相は師走総選挙3連勝で蓮舫民進を記録的大惨敗に追い込みたいからです。

2016/11/04 (Fri) 11:22 | EDIT | REPLY |   

B4  

Re: No title

山田さん、コメントありがとうございます。
どうやら11/8に衆院本会議で採決するようですね。
私は米大統領がどちらになっても、12/7まで会期延長してTPPを成立させると思います。TPPはここで片づけたいので11月解散は0%になったと思います。従ってやるとしたら、来年1月5日解散が一番確率が高いでしょう。
ただし、ロシアとの交渉の成果次第で12月7日の可能性も万が一として頭に置いておく必要があるかなとも思っています。(ほぼゼロに近いとは思いますが、最も予想外なので。)
どちらにしても、建前上の解散理由をどうするのかが一番気になっています。

> 11月8日の米大統領選でもしアスペルガーのトランプ氏が当選すれば、
> 安倍首相は今月中に衆院を解散するでしょう。
> TPPヤケクソ解散。
>
> 11月10日解散だと12月4日投開票、
> 11月21日解散だと12月11日投開票
> になりそうです。
>
> 2016年内総選挙で与党は衆院で318議席(3分の2)以上は確実に。
>
> 安倍首相は師走総選挙3連勝で蓮舫民進を記録的大惨敗に追い込みたいからです。

2016/11/04 (Fri) 23:16 | REPLY |   

山田  

No title

しかし、2005年郵政国会の前例から参院でTPPが否決されれば11月22日までに衆院は解散でしょう。

日露会談で北方領土問題がうまくいかなかったリスクから12月11日に総選挙というシナリオが浮上しました。

2016/11/06 (Sun) 17:24 | EDIT | REPLY |   

B4  

Re: No title

山田さん、コメントありがとうございます。

状況が目まぐるしく変わるので予測しづらいですね。週末に色々と考えて最新の解散総選挙予測を書きました。
11/7 00:00のエントリーを読んでいただけると幸いです。
なお、私は2017年前半での解散総選挙は絶対にさせたくないというのが本心で、その為に解散予測をしています。
それでは、今後ともよろしくお願いいたします。

> しかし、2005年郵政国会の前例から参院でTPPが否決されれば11月22日までに衆院は解散でしょう。
>
> 日露会談で北方領土問題がうまくいかなかったリスクから12月11日に総選挙というシナリオが浮上しました。

2016/11/06 (Sun) 23:31 | REPLY |   

Post a comment