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51%の真実

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インターネットは人間を成長させるか?

 米大統領選を契機として、インターネットの情報を鵜呑みにして良いのかという議論が、やっと大手メディアでも取り上げられる様になって来たようだ。

(1)「「偽ニュース」問題に揺れるフェイスブック 」(日経新聞 2016/11/23)
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 米フェイスブックが「偽ニュース」問題に揺れている。「ニュースフィード」を通じて拡散した虚偽の情報が米大統領選に影響を与えたとの見方を当初は全面否定していたが、批判が鳴りやまず、先週になって一転、7項目の対策を打ち出した。米国民のほぼ2人に1人が情報源として頼る世界最大の交流サイト(SNS)は、「テクノロジー企業」と「メディア企業」のはざまで難しいかじ取りを迫られている。<中略>
マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は18日夜、自身のフェイスブックページでこう釈明。コンピュータープログラムによる偽ニュースの検出強化や利用者による通報システムの改善、事実関係をチェックする第三者機関との連携拡大などに取り組んでいると説明した。<中略>
 「ローマ法王がトランプ支持を表明」「クリントンがイスラム国に武器を販売していたことをウィキリークスが確認」――。選挙期間中、フェイスブックのニュースフィードには、ほぼ無名の情報サイトやブログが発信するこうしたガセネタがまことしやかに流れ、拡散していった。
 偽ニュースが有権者の投票行動にどれだけ影響を与えたかを測るのは難しいが、米有力ニュースサイトのバズフィード・ニュースは独自の分析として、投票日までの直近3カ月間にフェイスブックに流れた偽ニュース記事上位20本の「エンゲージメント(シェア、コメント、『いいね!』などリアクションの合計)」は、ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストなどが配信した本物のニュース記事上位20本のそれより多かったと報じている。
 ザッカーバーグ氏は選挙直後の10日、「虚偽情報は全体の1%にも満たない」として、フェイスブック上の偽ニュースが選挙に影響を与えたとの批判は「まったく的外れだ」と一蹴していた。それからわずか1週間あまりで態度を変えたのは、対策に消極的な同社の姿勢を批判する声が一段と高まったからだ。<中略>
 フェイスブックはかねて「我々はテクノロジー企業であってメディア企業ではない」と主張している。「中立」をうたうプラットフォームがニュースフィードに流れる情報の内容に下手に干渉すれば、偏向を責められかねないからだ。実際、5月にはフェイスブック上で盛り上がっている話題を紹介する「トレンディング」と呼ぶサービスで「保守系のニュースを意図的に抑制している」と批判され、ザッカーバーグ氏が釈明に追われる事態となった。
 フェイスブックはその後、同サービスに関わっていたスタッフを解雇。コンピュータープログラムが話題を抽出する手法に切り替えたが、結果的に利用者の間で話題になっている偽ニュースが「トレンディング」に取り上げられ、拡散に一役買うという皮肉な事例も報告されている。<中略>
いつまでも『僕は(間違ったことは)やっていないと言い逃れる子ども』(ベル教授)でいられるはずもない。「世界で最も影響力のあるニュース配信企業」として応分の責任を担う。ザッカーバーグ氏にその覚悟を問う声は着実に高まっている。
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 黒太字にあるように、トランプ氏を擁護しクリントン氏を貶めるデマが数多く投稿され拡散された。それに対して、フェイスブックは「保守系のニュースを意図的に抑制している」と批判され、「中立」をうたうプラットフォームであることに拘るあまり、偽ニュースを除外していたスタッフを解雇するという愚を犯してしまった。

 米国の47%の人が主要なニュースソースとして利用しているFacebookは、もうメディアで無いという言い訳は通用しないし、メディアとして振る舞う責任がある。またこれはFacebookだけの問題ではなく、ニュースソースとして62%を占めるSNS全体で取り組まなければならない問題だ。


 バズフィード・ニュースでは、1か月ほど前に以下のような記事も公開している。

(2)「Hyperpartisan Facebook Pages Are Publishing False And Misleading Information At An Alarming Rate」(BuzzFeedNews 2016,/10/21)
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A BuzzFeed News analysis found that three big right-wing Facebook pages published false or misleading information 38% of the time during the period analyzed, and three large left-wing pages did so in nearly 20% of posts.
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バズフィード・ニュースの分析では、Facebookにおいて3大右翼のページが、分析期間中に38%の間違った情報や誤解を招く情報を公開しており、また3大左翼のページもほぼ20%の記事で同様だと分かった。
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 (1)の記事では、トランプを応援していたオルト保守系のみがデマを流しているように思えるが、実際は右翼系が40%弱、左翼系が20%程度のデマを流しているということは、きちんと認識しておかなければならない。


 どうしてデマの記事が流されるのか? その理由の1つとして、ワシントンポストが、数千万ページビューを誇るトランプびいきのウェブサイト( LibertyWritersNews.com)で働く、記者2人の生々しいルポを掲載している。

(3)「For the ‘new yellow journalists,’ opportunity comes in clicks and bucks (By Terrence McCoy)」(The Washington Post 2016/11/20)
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LONG BEACH, Calif. — Fewer than 2,000 readers are on his website when Paris Wade, 26, awakens from a nap, reaches for his laptop and thinks he needs to, as he puts it, “feed” his audience. “Man, no one is covering this TPP thing,” he says after seeing an article suggesting that President Obama wants to pass the Trans-Pacific Partnership before he leaves office. Wade, a modern-day digital opportunist, sees an opportunity. He begins typing a story.
“CAN’T TRUST OBAMA,” he writes as the headline, then pauses. His audience hates Obama and loves President-elect Donald Trump, and he wants to capture that disgust and cast it as a drama between good and evil. He resumes typing: “Look At Sick Thing He Just Did To STAB Trump In The Back… .”<後略>
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カリフォルニア州ロングビーチ、パリ・ウェード(26歳)が昼寝から目を覚まし、ノートパソコンに手を伸ばして聴衆に「フィードえさを与える意味がある)」しようと考えている時、2,000人よりは少ない読者がウェブサイトにいる。オバマ大統領が任期を終える前にTPPを通そうとしていることを示唆している記事を見て、現代のデジタル機会主義者であるウェイドは「TPPのことを誰もが学習しているわけではない」と言い、チャンスを見いだしストーリーを入力し始めます。
「オバマを信用できない」と見出しに書いてから一時停止する。彼の聴衆はオバマを嫌い、次期大統領のドナルド・トランプを支持しています。彼はその嫌悪感を掴み、それを善と悪の間のドラマとしてキャスティングしたいと考えています。彼は入力を再開する:「Look At Sick Thing He Just Did To STAB Trump In The Back…(翻訳できなかった・・・)..」
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 偽ニュースを流す人たちには「クリック数がお金を生む」と考え、その為に聴衆が喜ぶストーリーを提供することを考えている人がいる。(例え作り話でも・・・)みたいな感じかな? そしてそれにまんまと引っかかる人たちがいるのだ。 

(4)「中学生の8割、ネットの「偽ニュース」見分けられず 米大調査」(日経新聞 2016/11/23)
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 【シリコンバレー=小川義也】米国の中学生の8割はインターネット上の本物のニュースと「偽ニュース」の見分けがつかない――。<中略>学校や家庭におけるリテラシー教育の拡充を求める声も上がっている。
 調査はスタンフォード大のサム・ワインバーグ教授らのグループが全米12州の中学生から大学生まで合計7804人を対象に実施。22日に報告書を公表した。
 回答した中学生の82%はウェブサイトに掲載された本物のニュース記事と、記事風に仕立てられた「スポンサード・コンテンツ」と呼ばれる広告の見分けがつけられなかった。
 また、「福島第一原子力発電所の事故の影響で変異した」という説明とともに写真共有サイトに掲載された奇形の花の写真を見た高校生の10人にほぼ4人は、その写真を誰がどこで撮影したのか明記されていないにもかかわらず、疑いを抱かずに信じ込んだという。
 ワインバーグ教授は「多くの人はソーシャルメディアを巧みに使いこなしている若者はどんな情報がそこにあるのかを当然よく理解していると思い込んでいるが、現実は真逆であることを調査は示している」と指摘。<後略>
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 黒太字の部分は何も若い人たちに限った現象ではないと思える。テレビが偏向していると考えインターネットを神聖化している人達は、多かれ少なかれこのような罠に嵌っている可能性がある。そして難しいのは、インターネットのデマに騙されないように注意している人でも、なかなかすぐには真偽が見抜けないような偽ニュースも多く存在するという事実だ。

 これはもう自分の情報リテラシーを磨き、何度も失敗を繰り返しながら偽ニュースを見分ける能力を身につけていくしか解決策は無い。ただ少し気がかりなのは技術が進歩した現在では、その失敗が致命的な失敗に繋がってしまうのではないかということだ。こればかりは、そうならないことを祈るしかない。

 未来にどんなに便利なツールが発明されても、それを悪用してデマを拡散する事態は発生するだろう。インターネットはこの事実を知らしめ、人間を成長させることができるだろうか?



公開履歴
2016/11/24 00:30 初回公開
2017/3/17 12:00 公開日付を変更して再度新着として公開、その後2016/11/24 00:30に公開日付を戻して公開し直した。



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Category - テレビっ子&ネット民

インターネット SNS デマ 偽ニュース 米大調査

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