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51%の真実

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農業改革を巡る利害闘争 ~小泉進次郎の苦悩(負けて勝つ)~

Category - 政治
 11/25に自民党の農業改革案が決定された。ここ数日、規制改革推進会議の提言を巡ってJAグループと自民党の農林族から批判が噴出し、小泉進次郎農林部会長は非常に厳しい局面に立たされていた。

 小泉議員は、何とかうまく調整しこの難局を取りあえずは乗り越えることが出来たようだ。以下に経緯と感想を記録しておく。

(1)「【報ステ】JAグループ緊急集会、改革提言に憤り」(テレ朝news 2016/11/21)
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政府の規制改革推進会議がまとめた“農協改革”に関する提言(注1)をめぐり、JAグループは21日、緊急集会を開き、提言案は容認できないとする決議を採択した。(注2) JA全農は、農薬や農機具などをメーカーから購入し、地域の農協を通じて農家に販売する“購買事業”などを行っている。全農は、販売価格に対して手数料を上乗せしているが、一部では“割高”との指摘もある。規制改革会議は“購買事業”を1年以内に縮小し、事実上、手を引くよう求めた。さらに、改革が進まなければ、国が“第二全農”を立ち上げるということまで踏み込んでいる。集会に参加したJA関係者は「全農解体ありきだと感じる」などと猛反発。今回の提言には、自民党の農林族からも批判が噴出している。その自民党では、小泉進次郎議員が自民党の“農業改革案”を取りまとめていて、安倍総理から月内に結論を出すよう指示されている。
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(注1)
<全農改革>不当な介入 議員も農協も猛反発」(河北新報 2016/11/21)
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 全国農業協同組合連合会(全農)改革に向け、政府の規制改革推進会議が11日にまとめた提言を巡り、東北の農業団体や自民党国会議員に反発が広がっている。
<中略>
全農改革に向けた規制改革推進会議の主な提言
【購買事業】
・農薬や肥料などの生産資材の仕入れ販売契約の当事者にならない。
・共同購入の窓口に徹し、情報・ノウハウ提供型サービス事業を展開する少数精鋭の組織にリニューアル。
・新たな組織体制に1年以内に転換。購買関連部門の譲渡や売却を進める。
【販売事業】
・農家から手数料を取る委託販売を、1年以内に廃止し、全量を買い取り販売とする。
・安定した販売ルートを持つ流通関連企業の買収を推進する。
【組織体制など】
・会長を選挙で選出する。
・役職員の報酬・給与水準の公表。
・改革が進展しない場合の「第二全農」の設立。
<中略>
 農業の成長産業化に向けて農協改革に前向きな小泉氏は提言について、「ちょっとそれはないなという部分はあっても、方向性は賛同できる部分があることは事実」と一定の評価をしている。規制改革推進会議メンバーと意見を擦り合わせながら、党の改革方針の取りまとめを急ぐ考えだ。
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(注2)
規制改革提言「全部押し戻すことが大事」-森山前農相 新世紀JA研の要請活動で」(農業協同組合新聞 2016/11/22)
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 森山ひろし(示す編に谷)前農相は11月22日午前、新世紀JA研究会(代表:八木岡努JA水戸代表理事組合長)が国会内で行った要請活動に応えるなかで、規制改革推進会議の提言について「今回の農協改革(に関する意見)はよけいなこと。全部押し戻すことが大事。農家の意見を聞いていないから、やり直しをしなければならない」などと述べ、政府・与党で意見調整をするのではなく、規制改革推進会議側に差し戻すことが筋との考えを強調した。<中略>
◆農協改革「よけいな」提言
 森山前農相は、規制改革推進会議農業WGが11月11日に「3つの意見書」を発表していることの問題点を改めて指摘した。
 ひとつは「総合的なTPP関連政策大綱に基づく『生産者の所得向上につながる生産資材価格形成の仕組みの見直し』及び『生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通・加工の業界構造の確立』に向けた施策の具体化の方向」である。昨年10月の大筋合意を受けて始まったTPP関連対策の議論のうち、この秋までに決めるとされた積み残しの12項目に関わる生産資材や加工流通のあり方に関するもので、自民党も小泉PTで議論してきているテーマだ。
 もうひとつは「牛乳・乳製品の生産・流通等の改革に関する意見」。これも政府・与党でこの秋に取りまとめることになっており、規制改革推進会議が提言を出すことも予定されていた。いずれも提言の問題点はあり、たとえば指定団体制度の堅持などは譲れない点として政府・与党で調整しまとめていくというプロセスは考えられる。
 しかし、「農協改革に関する意見」については森山氏は「突然出てきた。よけいなこと」などと強く批判した。<後略>
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 規制改革推進会議の提言はもっともだと思う。農協は自分たちの体制を維持することに懸命で、日本の農業を良くするという視点を忘れているように思う。

 小泉議員も本音では、農協改革が本丸だと思っていたはずだ。しかしこれまでJAグループの反発をうまく反らし、なだめすかしながらここまで進めて来ていた。それを規制改革推進会議がJAグループにケンカを売るような形で、いきなり割り込んできた形だ。内心ははらわたが煮えくり返っていたのだろうか? それともうまく利用しようとほくそ笑んでいたのだろうか? はたまた、規制改革推進会議とは裏で通じた出来レースだったのだろうか?


(2)「数値目標設けず 自主性に委ねる 自民案」(毎日新聞 2016/11/24)
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 自民党は24日、農林系議員幹部の会合を開き、党の農業改革案を固めた。規制改革推進会議の農業部会が全国農業協同組合連合会(JA全農)に対し求めていた、金融事業を行う地域農協の数を3年以内に半減して販売を強化する提言について、数値目標を外すなど、農協側の自主性にゆだねる内容となった。(注3) JA側の反発に配慮した形だが、抜本改革のシナリオから遠ざかる可能性が出てきた。
 「改革(の必要性)と利害調整に苦しめられたが、山の頂上まで登れた」。自民党の小泉進次郎農林部会長は安堵(あんど)の表情を見せた。<中略>
 規制改革会議は今回、あえて高めの球を投げ、全農に抜本的な構造改革を迫っていた。小泉氏は「年次計画を今後もフォローアップする」と改革案の実効性を強調するが、全農や党農林系議員が今後、低い目標に甘んじれば、改革が骨抜きになる可能性もある。【寺田剛、田口雅士】
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(注3)© 毎日新聞 規制改革推進会議と自民党の農業改革案の相違点

規制改革推進会議 農業部会の提言(11日)

自民党が決めた改革案(24日)

JA全農は生産資材調達事業から1年以内に撤退

1年以内は明記せず、JA全農に年次計画を提出させ、20196月に改革の進ちょく状況を確認

JA全農の農産物販売事業は1年以内に委託販売から買い取り販売に転換

金融事業を行う地域農協の数を3年以内に半減

地域農協の自主的な判断に任せる

生乳を集める指定団体を利用しない酪農家にも補助金

新たに補助金を受ける条件の検討を継続



 やはり自民党の最終案はかなりJAグループに譲歩し、玉虫色で骨抜きにされる可能性が高いものだと思う。取りあえずは、今回決まった農業改革案が骨抜きにならないように、小泉議員がきちんとフォローアップできるか(もしくは自分が離れても骨抜きにならない体制を築けるか)を、じっくりと観察したいと思う。

 それにしても、小泉議員は三回生とは思えないほど胆が据わっており、調整力もあるなぁと感心させられる。野党ではこの人に対抗できるような若手が全く見当たらない。ただ、政治信条を含め小泉議員が本当に信頼に足る政治家であるかは、もっと時間をかけて判断しなければならないと考えている。



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農業改革 規制改革推進会議 農協改革 JAグループ 第二全農 負けて勝つ

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