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小池劇場のゆくえ5 ~評価は来年の結果を見てからだ~

※これは、以下のエントリーの続きになります。
 11/3の「小池劇場のゆくえ ~ハネムーン期間は終わった~



 小池劇場のゆくえなど本当はあまり書きたい記事でもないのだが、取りあえず区切りとして今纏めておかないとタイミングを失って陳腐化してしまうので、仕方なく書いて置こうと思った次第だ。

(1)「豊洲移転、来夏に判断 「環2」五輪間に合わず」(毎日新聞 2016/11/18)
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 東京都の小池百合子知事は18日の定例記者会見で、築地市場(中央区)の豊洲市場(江東区)への移転開場(注1)について、早ければ2017年6~7月にも移転の可否を判断し、実際の移転は17年末以降とする工程表を発表した。移転可能な時期がずれ込んだことで、築地市場跡の地下を通り、20年東京五輪・パラリンピックで都心と選手村などを結ぶ「環状2号線(環2)」の整備が大会に間に合わないことが確実になり、小池知事は地上に暫定道路を造って対応する考えを示した。具体的な工程表の公表は初めて。
 工程表では、17年1月に結果が出る豊洲市場の地下水の最終モニタリングを受け、4月に盛り土がない影響を調査する「専門家会議」、5月に耐震性などを調べる都の「市場問題プロジェクトチーム(PT)」がそれぞれ報告書を作成すると説明。その後に実施する環境影響評価(環境アセスメント)の審議は、影響が軽微で再アセスが必要ない場合には1~2カ月後の6~7月に終わり、審議の結果で小池知事が移転の可否判断をするとした。
 その後、半年程度の追加の対策工事を経て農相に開場の認可を申請し、最速で17年末~18年春に移転できる環境が整うとした。一方、再アセスが必要になった場合は手続きに15カ月ほどかかり、移転が可能になるのは18年末~19年春との見通しを示した。移転先送りに伴う市場業者への補償費(注2)は市場会計を充てるとした。 <後略>
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(注1)豊洲移転のステップ等については、4日の会見が分かり易いので以下の記事を参照のこと
「豊洲、再び環境アセスなら15カ月」小池知事会見」(日経新聞 2016/11/4)
(注2)築地市場の業者の声は以下の記事を参照のこと
業者「持ちこたえられるか不安」 豊洲移転、早くて来冬」(朝日新聞 2016/11/18)

 今回発表された工程表は非常に妥当なスケジュールだろう。移転までの期間が大幅に延びたことによるデメリット(築地業者への補償、豊洲市場の余計な維持費用など)について、丁寧にそしてできるだけ都民の費用負担が少なくなるように検討して欲しい。

 蛇足だが、小池都知事は豊洲市場の代替利用で良い案が出てくれば、移転中止の方向に舵を切る可能性も大いにあるのではないかと私は思っている。また環状2号線の整備が東京五輪に間に合わない件は、大会が近づく頃に意外と大きな問題になるような気がする。


 盛り土の責任問題は、前回対象となった8人に10人を加え合計18名の処分と、(これはパフォーマンス感が強いが)小池都知事自身も(自分が都知事の時の問題では無いがと皮肉を込めるのも忘れることなく)、責任を取って減給することが発表された。

(2)「18人処分へ…退職者、給料返納検討」(毎日新聞 2016/11/25)
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幹部ら減給
 東京都の豊洲市場(江東区)の主要建物下に盛り土がされていなかった問題で、都が、担当の中央卸売市場で盛り土をしない決定や盛り土があるとする誤った議会答弁などに関与した部長級以上の幹部ら18人を、減給の懲戒処分などとする方針を固めたことが分かった。中西充副知事や退職している幹部には処分相当額の給料返納を求めることを検討している。【川畑さおり、円谷美晶】 <中略>
 2次報告書では、盛り土しないことを決めた期間を10年11月~12年5月としたが、処分では8人に加え、12年5月以降に市場長を務めた塚本直之氏(退職)と岸本良一・総務局理事や、関係部長らも処分対象とする。
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 結局、石原元都知事他の当時のTOPの責任までは切り込めずに、これで終了しフェードアウトすることになるのだろうか?


 次に、五輪ボート会場を代表とした「五輪会場」変更問題だが、こちらは予想通り小池都知事の思惑は外れ、自分の策に溺れてしまう結果になった。

(3)「ボート・カヌー、水泳は新設=バレー会場は先送り-東京五輪4者協議」(時事通信 2016/11/29)
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 2020年東京五輪の開催費削減などを協議する国際オリンピック委員会(IOC)、東京都、大会組織委員会、政府の4者のトップ級会合が29日、東京都内で開かれ、見直しを検討した3競技会場について、ボートとカヌー・スプリントは東京臨海部の海の森水上競技場、水泳はアクアティクスセンター(江東区)を予定通り新設する方針を決めた。
 バレーボール会場については有明アリーナ(江東区)を新設するか、既存施設の横浜アリーナ(横浜市)を活用するかで結論が出ず、12月のクリスマス時期まで先送りすることになった。(注3)
 都の調査チームがボート・カヌー会場に提案していた宮城県登米市の長沼ボート場は、両競技の事前合宿地とすることで合意した。
 海の森水上競技場は当初の491億円から300億円前後に整備費を縮減。アクアティクスセンターは座席数を2万から1万5000に減らし、大会後の減築も取りやめて当初の683億円から513億円に削った。
 高騰が懸念されている開催経費について、組織委は総額2兆円を上限とする試算を示した<中略>
 会合は当初、一部非公開で議論される予定だったが、小池百合子都知事の意向で完全公開となった。(2016/11/29-17:29)
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(注3)「バレー横浜開催は困難に」(毎日新聞 2016/11/18)
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 2020年東京五輪・パラリンピックのバレーボール会場の候補に挙げられた「横浜アリーナ」について、横浜市が「国内外競技団体や国際オリンピック委員会(IOC)の意向が一致していることが重要」などとする文書を東京都に渡していたことが、関係者への取材で分かった。バレーボールの国内外競技団体は新設予定の「有明アリーナ」(江東区)での開催を求めており、「横浜」への変更は困難な情勢となった。 <後略>
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 しかし小池都知事の転んでもただでは起きないとでもいう様な、粘り腰には感心させられるところがある。政治家としては必要な能力と胆力だろう。

 会合を完全公開に持ち込んだこと(これは実は非公開部分を開始前の15分で済ませたとも考えられるが)、そして長沼を事前合宿地にすると発表したこと、小さなことだがこのようなことの積み重ねで都民の印象は大きく変わると思う。実際に費用の削減にもなっている(これも当初の3兆円の見積もりがいい加減だったともいえるが)ので、現時点では都民の支持はそれ程下がらないのではないかと感じる。 


 次に自民党との闘い(「7人の侍」問題)については、7人とも「自民党に残りたい」と言う意志を示した。

(4)「「自民党に残りたい」小池百合子知事支援の区議が降参 下村博文都連会長、怒り隠さず」(産経新聞 2016/11/28)
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 自民党東京都連の下村博文会長は28日午前、7月の都知事選で党の方針に反して小池百合子知事を支援した豊島、練馬両区議7人の代表者2人と党本部で面会し、10月30日から先送りしている7人の離党勧告処分について意見を聴いた。2人は「自民党に残りたい」として、処分の見直しを要望。12月5日までに都連が書面を通じて7人の意向を聴取し、最終処分を決める方向となった。<中略>
 面会には河原弘明・豊島区議と村松一希・練馬区議が出席し、「7人は自民党を出るつもりはない」として離党届を出す考えはない旨を伝えた。その上で、小池氏を支援した若狭勝衆院議員=東京10区=が口頭による厳重注意にとどまった経緯と比べ、「離党勧告はあまりに違う」と見直しを求めた。7人は現在も小池氏と連携しており、自民党への残留は小池氏の意向とみられる。<後略>
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 小池都知事の指示なのかそれとも7人の侍に迷いが生じたのか、どちらかは判断しかねるが、小池都知事は議会運営をスムーズに進めるため、おそらく自民党都議連と真っ向から対決するつもりは無いと思われる。従って、少なくとも来年の夏ごろまでに新党を結成するつもりもなくブラフだろう。


 最後になるが、私が一番興味を覚えたのは以下の記事だ。小池都知事が自分の人気を保つために、如何に色々なことを考えているのかがわかり、この点だけは尊敬に値する。

(5)「小池知事、政党復活予算の廃止発表 都議会の「聖域」 」(朝日新聞 2016/11/25)
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 小池百合子・東京都知事は25日の定例記者会見で、都議会各会派の要望を反映させる「政党復活予算」を2017年度の予算編成で廃止すると発表した。都議会の長年の「聖域」に切り込む形になるため、議会側はさっそく反発した。<中略>
 小池氏は「予算編成権は知事にある」と強調。「(議会に予算を)丸投げするやり方を大きく変える。都政改革の一環だ」と述べた。<後略>
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 政党復活予算の廃止は、またまた都民の心を掴んで小池劇場の寿命を延命させるだろう。この方針については私も大いに賛成だが、小池都知事の権力がどんどん増すことになるので、都民は歓喜するだけでなく小池都知事への監視を更に強化していくことが必要だと感じる。



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Category: 政治
Published on: Fri,  02 2016 12:00
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小池劇場 豊洲移転問題 五輪会場問題 7人の侍 政党復活予算

4 Comments

山田  

五輪史上初の海上ボート・カヌー場は建設費用43%減に

愛知県民ですが東京都政に関心あります。

豊洲市場の開場は2018年2月7日(月)が有力ではと感じます。カドミウム・砒素・水銀etc検出の土壌問題が発覚してよかったです。
もし予定通り11月7日に開場だととんでもないことになっていたでしょう。

2020年東京五輪のボート・カヌー会場は1896年アテネ五輪から始まった五輪史上初の海上開催になりました。

IOCとしても記念すべき30回目(1940・44年が中止だったため2020年で30回目となる)の夏季五輪は前例がない史上初の海上ボート・カヌー開催に期待したのだろう。

とはいえ、建設見込み費用は490億円から280億円に減り43%カットですし、
宮城県登米市長沼はキャンプ地に決定しました。

有明水泳場の建設費用は座席とともに25%カットへ。

バレー会場については横アリがいいと思います。
影の首相こと森氏、影の都知事こと内田氏は引っ込むべきです。
森氏は首相時代は野中元官房長官・亀井元金融担当大臣がノーなら何でもノーでしたが、
野中氏引退や亀井氏離党で影の首相に躍進とは。

2016/12/02 (Fri) 19:59 | EDIT | REPLY |   

B4  

Re: 五輪史上初の海上ボート・カヌー場は建設費用43%減に

山田さん、お疲れ様です。

愛知県と言えば、CBCの「ゴゴスマ -GO GO!Smile!」は、関東のどこの放送局よりも小池都知事の話題に一番拘っていますよね?もしかしたら愛知県民が一番関心を持っているのかも?

私もカドミウム・砒素・水銀etc検出の土壌問題や盛り土問題が発覚して、東京都政の闇が炙り出されたのは非常に良かったと思っています。これをマスメディアや国民が、国政の色々な闇にまで繋げてくれれば最高なのですが・・・

五輪費用も無駄が炙り出されて、削減できて良かったと思います。内田氏は凋落した感がありますが、森氏が大きい顔をしているのはちょっと嫌ですね。はやく隠居してくれると良いのですが。

海の森は海水なので、アスリートにとってはやはり良くなかったと思います。練習場が淡水のところだと、本番に向けて海水での調整が必要で、早くから海の森で練習できる国が有利になる気がします。バレー会場は有明になりそうですね・・・

小池都知事は良くやっていると思いますが、どんな政治家であれ国民は闇雲に称賛せず、冷めた厳しい目を持って見ていかなければいけないと思っています。

2016/12/03 (Sat) 08:06 | REPLY |   

山田  

都政改革とブラックボックス、五輪2028年問題

ありがとうございます。

CBC(名古屋5チャンネル)の「GOGOスマ」は都政改革に関心がある局と感じます。

CBCと同じ系列のMBS(大阪4チャンネル)で同じ時間に放送される「ちちんぷいぷい」へも同じ映像が使われたりします。もしかしたらCBCはMBSとも共同取材の可能性が。

CBCは1976年度以前だと当時同じ系列だったABC(大阪6チャンネル)との共同取材があったようです
(MBSとABCの系列トレードで解消)。

在京5大キー局よりも在阪4大準キー局(MBS・ABC・カンテレ・読売)やCBCの方が取材行動力があると感じます。
在阪準キー局(特にMBS・ABC・カンテレ)は反東京意識が強い、
CBCは国内初の民放という老舗ブランドで反東京意識が強い
(在名局ではCBC程ではないが東海テレビも反東京意識が強い)
のも。

内田氏(77)は来年7月16日予定の都議選で引退と思われますが、あの踏み絵文書(今年7月11日発行)以降は求心力は下がりました。

森氏(79)は横浜市にも圧力をかけていると思います。
有明アリーナの建設費用は30億円減らすものの横アリ活用が7億円に対して有明アリーナは340億円だったり。
横アリがもし48個あったとしても336億円なのに。

もし小池氏が知事に当選していなかったら、
2028年以降の夏季五輪は消滅していたかも知れません。

国内においても
2025年大阪万博(大阪市此花区)、
2026年札幌冬季五輪(札幌市)
の誘致が活発化していますが、建設費用のコンパクト化が必至です




2016/12/03 (Sat) 11:56 | EDIT | REPLY |   

B4  

Re: 都政改革とブラックボックス、五輪2028年問題

山田さん、お疲れさまです。

愛知県はトヨタを筆頭に優良な企業があり、日本で一番元気な気がします。そういうこともあり、東京と大阪には負けていないという自負心や反骨心が高いと感じます。

テレビ局も中京・大阪は、良くも悪くも頑張っていると思います。ただ東京MXもですが、やっぱり全国ネットでないからこそ出来ている面があるし、悪く言えばそれに甘えている面もあると思います。ネットとの連携で「テレビ界の週刊文春」的な局が出てきて、日本中を良い方向に導けると面白いですが。

五輪もW杯も多くのスポーツが費用面で肥大化して困っていますね。これは世界の経済もそうですが実際より膨らんだ予算で動いており、ずっとバブルが膨らみ続けているのだと思います。まだまだずっと先のことだと思いますが、いつかは弾けるしかないと思います。どの国も自分がトリガーになることだけは避けたいでしょうが。

五輪は持ちまわりでなく、ギリシャを目指す大会にすれば良いかもしれません。そんなことを望まない人が多いと思いますが。また、ギリシャでは冬季五輪は無理ですね。

2016/12/03 (Sat) 19:25 | REPLY |   

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