51%の真実

ARTICLE PAGE

GPIF2

 前回の続きを書いてみたい。「国の年金運用で5兆円損失、「失敗だ!」批判は間違いである…年金危機説のウソ」に書かれている以下の内容について、長期的な運用であることを考えると、ある程度はこの意見も正しいと思う。(※14年度も15年度も単年度で確定した損益だけどね。)
年金の運用というのは非常に長期にわたるものです。14年度の約15兆円の利益も15年度の約5兆円の損失も運用途中における評価益であり、評価損ということです。利益が出ているからといって「成功した!」と喜ぶこともありませんし、損失が出ているから「失敗した!」と決めつけることもないのです。

 重要なのは以下の部分です。
公的年金というのは賦課方式といって、毎年の年金保険料の払い込みを毎年の年金の支給原資に充てているのです。つまり単年度決済です。年によってはプラスの時もあればマイナスの時もある。プラスになれば、この年金積立金特別会計140兆円に繰り入れますし、もしマイナスの年があれば、この積立金から取り崩します。

 少子高齢化で年金保険料の払込みが少なくなり支払いが超過していく。今後団塊の世代のリタイアにより、この速度は加速度的に上がっていく。これが分かっているので140兆円を何とか増やしたいと考えているのである。

 しかしながら、株式の比率を高めた現在のポートフォリオでは、日経平均が上昇している時は運用益が大きく増えるが、現在のように横ばいから下落の可能性が高い時には、運用益が大きく減る可能性が高く、これから国債や株式での損益額はますます増えていく可能性の方が高いのである。

 それではどうすべきなのか?

 これは批判的な記事を書いて置きながら非常に無責任だけれども、どうすれば良いのか私にも判らない。それほど非常に難しい問題だ。

 安倍首相になってからのトータルの運用益があるうちに、ポートフォリオの構成及び組み込み商品の抜本的な見直しや本格的な組織の運用体制と体質の見直しを考える必要がある。

 また更に重要なことは、年金積立金特別会計が140兆円残っている今のうちに、本気で早急に抜本的な年金制度の見直しに着手する必要があると考えている。

p.s.

 GPIFの2015年度運用実績の発表が、参院選後の7/29に先送りとなったことは、GPIFが時の政権の思惑の影響を受けない独立性を維持しなければならないという観点で、非常に問題があった。来年以降は基本的に周期的な発表日を決めて置き発表する必要があるだろう。

※この記事は、「日本がアブナイ!」さんに 2016/5/26に投稿したコメントを基に、加筆と再編集をしました。

スポンサーサイト
Category: 経済
Published on: Thu,  18 2016 00:02
  • Comment: 0
  • Trackback: 0

GPIF 運用体制 ポートフォリオ 組み込み商品 年金制度 抜本的見直し

0 Comments

Post a comment