51%の真実

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【第193回通常国会】 安倍首相施政方針演説と民進/公明/共産の反応 

 今日から第193回通常国会が始まり、安倍首相が施政方針演説を行った。演説の概要は以下の日経新聞の記事を読んでもらいたい。今回は外交・安保を序盤に持ってきて、かなり時間を割いたのが特徴だ。これはトランプ次期大統領の就任式が間近に迫っていることや、世界情勢が不安定になってきていることを意識したものだろう。

(1)「日米基軸「不変の原則」 首相が施政方針演説 働き方改革「最大の挑戦」」(日経新聞 2017/1/20)
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 安倍晋三首相は20日午後の衆院本会議で施政方針演説をした。(詳細1)~(詳細4)<中略>
 施政方針演説は1月召集の通常国会で首相がする演説で、政府がその年の国政全般に臨む基本方針を示す。12年12月に首相が再登板して以降、施政方針演説は5回目。例年は後半で言及する外交・安保を序盤で詳述する構成にしたのが特徴だ。<後略>
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 演説の詳細については例のごとく産経新聞がまとめてくれているので、それをリンクして私が気になった部分についてコメントしていきたい。

(詳細1)
【安倍晋三首相施政方針演説(1)】「かつて、『最低でも』と言ったことすら実現せず、失望だけが残った」」(産経ニュース 2017/1/20)
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<前略>
 これまでも、今も、そしてこれからも、日米同盟こそがわが国の外交・安全保障政策の基軸である。これは不変の原則です。できる限り早期に訪米し、トランプ新大統領と同盟の絆をさらに強化する考えであります。
<中略>
 かつて、「最低でも」と言ったことすら実現せず、失望だけが残りました。威勢のよい言葉だけを並べても、現実は1ミリも変わりません。必要なことは、実行です。結果を出すことであります。
 安倍内閣は、米国との信頼関係の下、抑止力を維持しながら、沖縄の基地負担軽減に、一つひとつ結果を出していく決意であります。
<後略>
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●トランプ次期大統領との首脳会談は、結局1/27(金)で調整できていないということだろうか? まあ、トランプ氏の政策がどのようになるのか、しばらく様子を見て真意を見極めてから首脳会談に臨んだ方が良いと思うので、まだ決定していないなら慌てて進めないで欲しい。

(詳細2)
「世界初の液化水素船による大量水素輸送に挑戦します」」(産経ニュース 2017/1/20)
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<前略>
 5年前、日本には、根拠なき「未来の予言」があふれていました。「人口が減少する日本は、もう成長できない」、「日本は、黄昏を迎えている」。不安を煽る悲観論が蔓延していました。
 まさにデフレマインド、「諦め」という名の「壁」が立ちはだかり、政権交代後も、「アベノミクスで成長なんかできない」。私たちの経済政策には、批判ばかりでありました。
 しかし、日本はまだまだ成長できる。その「未来を創る」ため、安倍内閣は、この4年間、三本の矢を放ち、「壁」への挑戦を続けてきました。
 その結果、名目GDPは44兆円増加。9%成長しました。中小・小規模事業者の倒産は26年ぶりの低水準となり、政権交代前と比べ3割減らすことに成功しました。
 長らく言葉すら忘れられていた「ベースアップ」が3年連続で実現しました。史上初めて、47すべての都道府県で有効求人倍率が1倍を超えました。全国津々浦々で、確実に「経済の好循環」が生まれています。
 格差を示す指標である相対的貧困率が足元で減少しています。特に子どもの相対的貧困率は2%減少し、7・9%。15年前の調査開始以来一貫して増加していましたが、安倍内閣の下、初めて減少に転じました。
 「できない」と思われていたことが次々と実現できた。かつての悲観論は完全に間違っていた。そのことを、私たち自公政権は証明しました。
 この「経済の好循環」をさらに前に進めていく。今後も、安定した政治基盤の下、力を合わせ、私たちの前に立ちはだかる「壁」を、次々と打ち破っていこうではありませんか。
<中略>
 1千万人の「壁」。政権交代前、外国人観光客は、年間800万人余りで頭打ちとなっていました。
 安倍内閣は、その「壁」を、わずか1年で突破しました。4年連続で過去最高を更新し、昨年は、3倍の2400万人を超えました。
<中略>
 チャレンジを阻む、あらゆる「壁」を打ち破ります。イノベーションを次々と生み出すための、研究開発投資、そして規制改革。安倍内閣は、3本目の矢を、次々と打ち続けます。
<後略>
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●この4年間で、三本目の矢がまともに放たれたという感じは全くしないのだが、安倍首相が自画自賛するアベノミクスの成果を真っ向から否定することはできない。アベノミクスの1本目と2本目の矢によってもたらされた成果であることも事実だろうと思う。ただ、アベノミクスが将来の日本の正常な経済活動に悪影響を及ぼすリスクと引き換えに、甘い果実を先食いしていたことを後から思い知ることになるだろうと感じる。

●また、ベースアップの3年連続での実現などは、まさに今トランプ次期大統領が企業を”口撃”して言うことを聞かせようとしているのと、まったく同じ手法だと感じる。日本では既に数年前から先んじて行われていたのだ。

(詳細3)
「あの3年3カ月、保育士の処遇は改善するどころか、引き下げられていた」」(産経ニュース 2017/1/20)
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<前略>
 人材を確保するため、来年度予算でも処遇改善に取り組みます。介護職員の皆さんには、経験などに応じて昇給する仕組みを創り、月額平均1万円相当の改善を行います。保育士の方々には、おおむね経験3年以上で月5千円、7年以上で月4万円の加算を行います。
 加えて、すべての保育士の皆さんに2%の処遇改善を実施します。これにより、政権交代後、合計で10%の改善が実現いたします。他方で、あの3年3カ月、保育士の方々の処遇は、改善するどころか、引き下げられていた。重要なことは、言葉を重ねることではありません。責任を持って財源を確保し、結果を出すことであります。安倍内閣は、言葉ではなく結果で、国民の負託に応えてまいります。
<後略>
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●介護職や保育士の待遇改善は必要なことだと思うが、その他にも派遣社員の待遇改善など全体のバランスをとらなければ、不公平になってしまうと思う。安倍政権は悪い面をうまく隠し、良い面だけをうまくアピールする術に長けていると感じる。表面上に見えていることだけに捕らわれず、本質を見極める必要があると思う。

(詳細4)
「言論の府である国会の中でプラカードを掲げても、何も生まれない」」(産経ニュース 2017/1/20)
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<前略>
 未来は変えられる。すべては、私たちの行動にかかっています。
 ただ批判に明け暮れたり、言論の府である国会の中でプラカードを掲げても、何も生まれません。意見の違いはあっても、真摯かつ建設的な議論をたたかわせ、結果を出していこうではありませんか。
 自らの未来を、自らの手で切り拓く。その気概が、今こそ、求められています。
 憲法施行70年の節目に当たり、私たちの子や孫、未来を生きる世代のため、次なる70年に向かって、日本をどのような国にしていくのか。その案を国民に提示するため、憲法審査会で具体的な議論を深めようではありませんか。
 未来を拓く。これは、国民の負託を受け、この議場にいる、すべての国会議員の責任であります。
<後略>
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●プラカードについては、国民へのちゃんとやってますよアピールが見え見えで、安倍首相の言う通り”批判のための批判”としか感じられないので、やめた方が良いと思う。

●憲法改正については最後で少し触れただけになったが、「憲法審査会で具体的な議論を深めよう」という言葉には、他のどの言葉よりも力がこもっていたと感じる。

●また青太字の部分は、民進党と比較して自分たちはこんなに頑張っているんだとアピールしている部分だが、この言葉にも力を込めてゆっくりと話している。そんなに民進党を貶めたいのだろうか?

●確かに旧民主党政権がやってきた裏切り行為にも腹が立っているのだが、それよりも、安倍首相がしゃべっている時に見せる”薄ら笑い”の方がよほど癪に障る。


 以下、安倍首相の施政方針演説に対する他党の反応についてもコメントしておきたい。

(2)「「美しい演説ではない」総理の施政方針について、蓮舫代表」(民進党HP 2017/1/20)
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 蓮舫代表は第193通常国会が開会した20日午後、参院本会議終了後に国会内で記者会見を開き、同日行われた安倍総理の施政方針演説など政府4演説等についての所感を述べた。安倍総理の演説については「今、国民が関心を持っている『天下り』、『共謀罪』に一言も触れていない。そして自画自賛と民主党政権時代の批判。あまり美しい演説ではなかった」と語った。<後略>
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●蓮舫代表をはじめ民進党議員には、安倍首相に舐められていることを恥じて、真摯に努力して政権奪還の為の力をつけて欲しいと思う。そして有言実行を心掛けて欲しいと切に願う。

(3)「公明・山口那津男代表 改憲発議案提示に向けた議論深化を牽制」(産経ニュース 2017/1/20)
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 公明党の山口那津男代表は20日、安倍晋三首相が施政方針演説で、憲法改正をめぐり「(改憲発議)案を国民に提示するため、憲法審査会で議論を深めよう」と具体化を促したことに対し牽制した。「一般的な期待を述べられたと思う。(首相は)今国会で具体的な成果や進展までは見込んでいない。そういう現実認識をお持ちだ」と述べた。国会内で記者団に語った。
 同時に「(改憲論議の)主役は国会。国民の理解が伴うよう議論を深めていく地道な作業が必要だ。スピード感を持つような状況ではない」と語った。<後略>
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太字部分の山口代表の認識は、本心だとしたら甘いと言わざるを得ない。昨年の臨時国会から、安倍政権が自分たちの思いを隠さずに、どんどん強引に進めるようになってきていることを、もっと重くとらえるべきだと思う。

(4)「深刻な現実を見ない自画自賛演説 首相施政方針に 志位委員長が感想」(志位和夫HP 2017/1/20)
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 日本共産党の志位和夫委員長は22日、国会内で記者会見し、同日の安倍晋三首相の施政方針演説に対する感想を問われ、「この3年間で安倍政権がつくりだした平和、民主主義、暮らしの危機、深刻な現実を全く見ようとしていない。国民から寄せられている批判を全く聞こうとしない。最初から最後まで自画自賛の演説で、こういう姿勢では今の直面するさまざまな問題を前向きに打開する方策は出てこないと思う」と批判しました。<後略>
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●志位委員長の言葉の方が、蓮舫代表よりも重みがある様に感じられる。野党全体で主張の近い議員が集まって、自公に対抗できる野党再編ができると良いのだが。



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第193回通常国会 安倍首相 施政方針演説 民進党 蓮舫代表 公明党 山口代表 共産党 志位委員長

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