51%の真実

ARTICLE PAGE

「教科書通りいかない」金融政策の難しさと債務超過の現実味&日本郵政の野村不動産買収

(1)「「教科書通りいかない」日銀総裁、金融政策の難しさ吐露」(日経新聞 2017/5/6)
----
 日銀の黒田東彦総裁は6日、アジア開発銀行(ADB)年次総会の関連行事に参加し、中央銀行の業務が近年複雑になっていると訴える一幕があった。黒田総裁は日銀のかじ取りについて「悪戦苦闘とは言わないが、最大の努力を傾注している」と発言。「(経済学の)教科書を文字通り適用できない」と金融政策の難しさを強調した。<後略>
----

(2)「長期金利1%上昇で23兆円含み損 日銀“債務超過”の現実味」(日刊ゲンダイ 2017/5/12)
----
 日銀の黒田東彦総裁が久しぶりに市場の関心を呼んでいる。10日の衆院財務金融委員会で、民進党の前原誠司氏の質問に答える形で、「長期金利が1%上昇したら、日銀が保有する国債の評価損が23兆円程度に達する」と明かしたのだ。
 日銀は17年3月末時点で、国債を約370兆円保有。発行残高の40%強に相当する。<中略>
 日銀のバランスシート(16年9月中間期)に記載された自己資本(資本勘定、引当金勘定)は7兆6764億円だ。この数字を超える負債を抱えると債務超過となり、市場は倒産予備軍と判断する。
「仮に23兆円の“損失”が生じれば、日銀は10兆円を超す債務超過に陥るでしょう」(前出の市場関係者)
 ところが黒田総裁は決算上の問題はないと言い放ち、危機意識はゼロ。あくまで含み損なので、実害はないと踏んでいる。
■ハゲタカ勢の容赦ない日本売りで国債暴落危機
「大間違いです。中央銀行が実質的に巨額の債務超過に転落するのです。日本円の信用はガタ落ちします。一部では、国債やETF(上場投資信託)など500兆円規模の資産を保有しているから、実質的な債務超過など問題にならないという見方がありますが、決してそんなことはありません。海外ハゲタカ勢は、ここぞとばかりに“円売り”を仕掛けてきます。通貨危機に直面する恐れがあります」(株式アナリストの黒岩泰氏)<後略>
----

●たくさんの人が儲けようとして様々な罠を仕掛けてくるのだから、「教科書通りいかない」のは当然だろう。それを机上の空論でもって、国民の財産の大半を投入してゲームをするように金融市場で実証実験をしているのだから、黒田総裁の発言は無責任にも程がある・・・。

●国債もETFも購入するのは簡単だが、これだけ大きな金額(割合)になってしまうと、影響が大きすぎて暴落の危険があり売却などできるはずが無い。今はまだこのリスクが広く国民に認識されることが無いように押さえ込めているが、これから徐々にニュースでも取り上げられる機会が増えていくことだろう。(2018年までに危機が訪れると考えていたが、予測は後ろ倒しの方向で2020年頃までにという感じだろうか?)

●日刊ゲンダイの記事も、日刊ゲンダイが書くことだからと軽視するのは、この記事に関しては適切ではないと感じる。


(3)「日本郵政、野村不動産HDの買収検討」(日経新聞 2017/5/12)
----
 日本郵政が不動産大手の野村不動産ホールディングス(HD)を買収する検討に入ったことが12日、分かった。郵政グループで都市部に持つ商業施設を活用し不動産収入を伸ばすため、野村不動産の開発ノウハウを得て収益基盤を強化する狙いがある。買収に伴う株式取得額は最大で数千億円規模になりそうだ。
 複数の関係者が認めた。野村不動産HDの時価総額は約3900億円で、2016年9月時点で、証券最大手の野村ホールディングスが関連会社を通じ33%超を保有する筆頭株主となっている。日本郵政は12日夜、「新たな資本業務提携について様々な可能性を検討しているところだ」とのコメントを発表した。<中略>
 日本郵政は15年5月、海外事業を強化するため、オーストラリアの物流最大手トール・ホールディングスを買収したが、その後、巨額の損失が発生した。一連の損失を17年3月期に計上した影響で、連結最終損益は400億円の赤字に転落する。15年11月の上場以降株価が伸び悩むなかで、収益力とともに企業価値の向上も急務になっている。
 野村不動産HDは、「プラウド」ブランドでマンションを販売し、野村不動産を中核とする持ち株会社。17年3月期の連結売上高は5697億円、営業利益は773億円だった。

----

●日本郵政の資産の多くは、国民の財産が預けられているものだ。もし毀損すればそのまま国民の財産が消えることになる。

●トール・ホールディングスの買収でも、流通事業の可能性に目を付けたまでは良かったのだが、それをうまくマネジメントできる能力が無かったことが、巨額の損失に繋がったのだろう。まるで東芝を見るようだ。

●今回の野村不動産買収も、自身の持つ不動産を生かすことが出来るという点で目の付け所は良いと思う。しかしやはりマネジメントが大きな問題になることだろう。そして不動産市場は、これから2020年の五輪前後のどこかで、かなり厳しい時代をむかえることになるだろう。その時にまた大きな損失を抱えてしまうリスクが大きいように感じる。そしてそれは日本郵政の存続を脅かすくらいの損失になる可能性が有ると思う。

●これが郵政民営化の時に軽視された最大のデメリットとして、これから顕在化していくのではないかと危惧される。



スポンサーサイト
Category: ニューストピックス
Published on: Sat,  13 2017 07:00
  • Comment: 0
  • Trackback: 0

異次元金融緩和 教科書通りいかない 債務超過 日本郵政 野村不動産

0 Comments

Post a comment