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51%の真実

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加計学園事件の問題点と疑問点(調査検証メモ)1

 安倍首相とその仲間たち及び安倍応援団の、加計学園事件に対する「論点すり替え」や「意図的な結論誘導」が目立ち、その詭弁に反論できないと頭に血が上るので、加計学園事件の問題点や疑問点について、今更ではあるが調査検証し、纏まった順番にランダムに備忘録として残しておこうと思う。

[1]獣医師養成系大学・学部の新設に関する石破4条件とは?

平成27年6月30日 日本再興戦略改訂2015 -未来への投資・生産性革命-
本文(第二部及び第三部)p.121より抜粋
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⑭獣医師養成系大学・学部の新設に関する検討
 1.現在の提案主体による既存の獣医師養成でない構想が具体化し、
 2.ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき分野に おける具体的な需要が明らかになり、
 3.かつ、既存の大学・学部 では対応が困難な場合には、
 4.近年の獣医師の需要の動向も考慮しつつ、全国的見地から本年度内に検討を行う
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[2]獣医師の需要動向は?

定量的、学術的に検討されたデータをWEB上で検索したところ、以下の2つのデータが見つかった。

(1)獣医師の需要の動向 平成19年5月 獣医師の需給に関する検討会
(2)今後における獣医師需給と 農林水産省の獣医師の需給に関する検討会報告書の公表 日本獣医師会
 ※(2)は、おそらく(1)を要約したもの


【表1】獣医師の需給に関する検討会による需給見通しの推計値(20202040年) 

    (現状値推計に、小動物診療の受診回数の増加、診療効率化を加味した推計)                  データまとめ 51%の真実 B4

 

シナリオ

 

 

産業動物

 

 

小動物

 

 

全体(注1)

 

試算値の採用状況

農水省

報告書

獣医師

会意見

 

 

受診回数

20%増加

(上位推計)

 

 

 

 

 

2020年:500人不足

2040年:900人不足

 

 

 

 

 

 

2020年:2,300人不足

2040年:1,000人不足

2020年:3,300人不足

2040年:3,500人不足

 

×

 

受診回数

10%増加

(中位推計)

 

2020年:600人不足

2040年:600人超過

2020年:1,600人不足

2040年:1,900人不足

 

 

 

 

(現状値推計)

 

2020年:1,000人超過

2040年:2,300人超過

2020年:ほぼ均衡

2040年:200人不足

 

 

 

 

 

 

 

 

診療効率化

10%増加

 

 

受診回数

20%増加勘案

2020年:600人不足

2040年:600人超過

2020年:1,600人不足

2040年:1,900人不足

 

×

 

受診回数

10%増加勘案

2020年:1,000人超過

2040年:2,300人超過

2020年:ほぼ均衡

2040年:200人不足

 

×

 

現状値

で推移

2020年:2,500人超過

2040年:3,700人超過

2020年:1,300人超過

2040年:1,000人超過

 

 

(注1)産業動物+小動物+公務員+その他(製薬会社、飼料会社、研究所等)


 平成19年頃のデータ推計なので、10年後の現在に予測が当たっていたか否かを検証して修正する必要があると思うが、取りあえずこのデータを基に考察することにする。

 なお、獣医師需給の前提となる、現状の獣医学関係大学定員は【表2】の通り。 獣医学関係大学設置状況(平成26年度) より


【表2】獣医学関係大学設置状況(平成26年度)                                         データまとめ 51%の真実 B4

 

グループ(大学名)

定員

内訳(大学名)

定員

地域

定員

大学分類

北海道大学獣医学部・帯広畜産大学畜産学部

共同獣医学課程

80名

 

北海道大学

40名

北海道

 

 

200名

 

 

国立大学

帯広畜産大学

40名

国立大学

酪農学園大学 獣医学部 獣医学科

120名

 

 

私立大学

北里大学 獣医学部 獣医学科

120名

 

 

東北

 

 

150名

 

 

私立大学

岩手大学農学部・東京農工大学農学部

共同獣医学科

 

65名

 

 

岩手大学

 

30名

 

国立大学

 

東京農工大学

35名

関東

 

 

 

 

385名

 

 

 

 

国立大学

東京大学 農学部 獣医学課程

30名

 

 

国立大学

日本獣医生命科学大学 獣医学部 獣医学科

80名

 

 

私立大学

日本大学 生物資源科学部 獣医学科

120名

 

 

私立大学

10

麻布大学 獣医学部 獣医学科

120名

 

 

私立大学

11

大阪府立大学 生命環境科学部 獣医学科

40名

 

 

関西

40名

公立大学

12

岐阜大学応用生物科学部・鳥取大学農学部

共同獣医学科

65名

 

岐阜大学

30名

東海

30名

国立大学

13

鳥取大学

35名

中国

 

65名

 

国立大学

14

山口大学・鹿児島大学

共同獣医学部

60名

 

山口大学

30名

国立大学

15

鹿児島大学

30名

九州

 

60名

 

国立大学

16

宮崎大学 農学部 獣医学科

30名

 

 

国立大学

合計(注2)(注3)

930名

 

 

合計

930名

 

(注2)実際には現在、全国で930人の定員に対して約1050人が在籍しており、定員を13%もオーバーしているようだ。

(注3)獣医師国家試験合格者数から、約1200名が大学入学者数と推測している人もいる。これだと定員を約30%もオーバーしている。


(注2)獣医師は不足しているか?(団塊の越し方行く末)
(注3)加計学園「半世紀ぶり獣医学部」は不要か(唐木英明 by PRESIDENT Online 2017/6/22)

※定員オーバーがまかり通っているとしたら、監督官庁である文科省の怠慢は責められるべきである。そしてきちんと是正したケースで需給予測をやり直し、既存大学の増員や新設を認める方向で検討すべきであると思う。


 受診回数と診療効率化が10年前から変わっていない(【表1】の標準(現状値推計))とすると、2020年で産業動物伊医が500人不足、小動物医が1000人過剰、全体ではほぼ均衡していると予測されている。2017年現在で当たらずとも遠からずといった状況ではないだろうか?

 少なくとも、【表1】の上限 受診回数20%増加(上位推計)のように、2020年で小動物医が2300人不足、全体で3300人不足という状況にはなっていないと思われる。

 これが、私が獣医学部の規制が、害悪な「岩盤規制」とは言えないと考える根拠である。

 ただし小動物医以外や地域によっては、実際に不足している現実もあり、適切に検討された上での「岩盤規制」の緩和・修正・最適化は必要であろうと思う。

 ここまでで浮かび上がってくる、今回の加計学園事件の問題点・疑問点には以下がある。

 1.なぜ石破4条件(これも守られているか疑問だが)に新たな条件(「広域的に存在しない地域に限り新設を可能」、「平成30年4月開校」)を加えてまで、京産大ではなく加計学園だったのか?(これまで明らかになった情報や文書などを含め、時系列で並べて見た時に、総理の意向は関係なく公平公正な選定がなされたと言えるか?)

 2.なぜ加計学園の定員は、現行の全大学合計定員の17%にもあたる160名だったのか?(もし、特区での検証後に全国展開するとしたら、30人~60人くらいが妥当ではないか? なぜなら160名は3校~5校も新設できる人数だ。)


[3]なぜ加計学園の定員は160名だったのか?

愛媛県畜産課が加計学園から聞いた160名の算出根拠(注4)


26年度の獣医師法第22条の届出では、就業獣医師の総数は39,098人。この人数を維持するため、獣医師が生涯で35年働くとして、年間1,117人(39,098人/35年=1,117人)の新規獣医師が必要。現在ある全国の獣医学科の定員は930人/年。このため、年間187人(1,117人−930人=187人)が不足していると試算。

(注4)
加計学園獣医学部新設は「石破4条件」を満たしているか(玉木雄一郎 by BLOGOS 2017/5/21)

 かなりざっくりとした計算だなぁと思うが、この計算が確からしい数値なのか否かは私には判断できない。(ある程度は正しいような?、かなり怪しいような?・・・)

 加計学園が2018年4月に開校し6年間で卒業するので、2024年から毎年160人(100%)が卒業するとして、(注3)から獣医師国家試験合格率77%を掛けると、毎年約120人の獣医が増えると推測される。

 2040年には、120人×17年=約2000人増えることになる。

 先程の【表1】から考えてみると、、上限 受診回数10%増加(中位推計)の、2040年で全体で1900人不足を解消できる規模だと思われる。

 安倍首相と仲間たち、国家戦略特区諮問会議の民間議員、安倍応援団の面々は獣医は足りないんだと言い、文科省や日本獣医師会や反安倍勢力の面々は獣医は一部を除き足りているのだという前提で話をしている。

 国家戦略特区諮問会議や文科省や日本獣医師会では、先程の定員オーバーの件や平成19年5月の「獣医師の需要の動向」のデータの現状との比較の件が、きちんと調査・検証された上で、主張・議論されているのだろうか?

追記 2017/6/28
 加計学園の算出根拠でも私の推測でも、とにかく160名という定員数は安倍首相が言うような、特区ででうまくいったら全国展開していくという意図とはかけ離れている。最初から加計学園1校だと言われても仕方ないように感じる。国家戦略特区諮問会議や安倍首相は合理的に説明できるのだろうか?


次回に続く(予定)
[4]なせ加計学園だったのか? 総理の意向は関係なく公平公正な選定がなされたと言えるか?(から始める予定)

追記 2017/6/28
 上記の[4]ではテーマが大きすぎるので、多分もう少し細かく分けて書くことになると思います。ただ、いつ公開できるかは未定で、公開できるかも怪しい・・・



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加計学園事件 アベンドゲート 問題点・疑問点

1 Comments

山田  

No title

信越北陸や四国に獣医学部がないため、四国の今治市が候補地となりましたが160人は多過ぎます。
80人ずつ2校に分けるか、
53人ずつ3校に分けるか(1人減るが)、
40人ずつ4校に分ける
としてもいいと思います。

四国の人口は横浜市とほぼ同じ378万人ですし、今治市は香川東部や徳島(三好市・三好郡を除く)から遠いです。
徳島市からは今治市よりも大阪府大獣医学部(泉佐野市)の方が近いです
(和歌山市~徳島市のフェリー経由)。

関西は2100万人でありながら獣医学部は大阪府大しかありません。
兵庫県北部民は鳥取大学へ、
滋賀県北東部民は岐阜大学へ
の方が近いが。

愛媛県今治市の獣医学部だけでなく、
京都府北部の綾部市に京都産業大学獣医学部を開学すべきではと思います。

中国地方は獣医学部が鳥取市と山口市にありますが、
鳥取市~山口市は国道9号経由で400kmも離れているうえに山口大学獣医学部は獣医学部がない広島県民や福岡県民も下宿とはいえ多いようです。
400kmといえば東京駅から新幹線だと岐阜羽島駅(岐阜県羽島市)や古川駅(宮城県大崎市)よりも遠いです。

信越北陸も獣医学部はありません。

新潟県最北端から福井県最西端までは740kmも離れているにも関わらず。

740kmは東京駅から新幹線だと新倉敷駅(岡山県倉敷市玉島町)や新青森駅(青森市)よりも遠いです

2017/06/30 (Fri) 22:11 | EDIT | REPLY |   

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