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51%の真実

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結局、北朝鮮有事が起こる可能性はどのくらいあるのか?

 私は4月の頃は月末までに戦争が始まってしまうのではないかと、ハラハラしながら過ごしていたが、ここ最近はどんなにミサイル発射や核実験が実施されようと、トランプ大統領が軍事オプションを実行する可能性は、それほど高くないのではないかという考え方に変わって来ていた。

 そんな中、トランプ大統領が就任後初めて国連総会の一般討論演説で、金正恩委員長を激しく兆発する言葉を言い放った。

(1)「トランプ氏国連演説、北朝鮮「完全に破壊」警告」(日経新聞 2017/9/20)
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 【ニューヨーク=川合智之】トランプ米大統領は19日、就任後初めて国連総会の一般討論演説に臨んだ。朝鮮半島情勢について「米国と同盟国を守ることを迫られれば、北朝鮮を完全に破壊する以外の選択はない」と強く警告。北朝鮮が敵対的な姿勢をやめるまで国際社会が団結して圧力を加える必要があると主張した。
 トランプ氏は北朝鮮に拉致された横田めぐみさんを念頭に「(失踪当時)13歳の日本人少女を拉致した」と非難した。金正恩(キム・ジョンウン)氏率いる北朝鮮の体制を「向こう見ずで下劣だ」と評し、同国が進める核・ミサイル開発を「世界全体に脅威を与えている」と激しく糾弾した。正恩氏を「ロケットマン」と呼び、「自殺行為をしている」と指摘。北朝鮮に対し貿易だけでなく軍事支援している国があると指摘し、各国に圧力強化での連携を訴えた。<後略>
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 これまでも、トランプ大統領は独特の戦略として、こんな挑発発言を繰り返してきていたので、今回も同じだと考えている人も多いかもしれない。

 しかし私は、これ以外のいくつかのニュースと組み合わせると、軍事オプション実行の可能性はかなり上昇して来ているのではないかと考えを改めた。そのニュースとは以下の(2)と(3)だ。

(2)「対北朝鮮、「多くの軍事的選択肢」 マティス米国防長官」(AFP BB NEWS 2017/9/19)
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【9月19日 AFP】ジェームズ・マティス(James Mattis)米国防長官は18日、米国には北朝鮮に対する「多くの」軍事的選択肢があり、その中には韓国の首都ソウル(Seoul)を危険にさらさずに行使できるものも含まれると述べた。<後略>
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(3)「北朝鮮のミサイル、直接の脅威ない場合も迎撃検討 米当局者」(CNN 2017/9/20)
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(CNN) 北朝鮮問題を巡って緊迫した状況が続く中、たとえ北朝鮮の弾道ミサイルが米国や同盟国の直接的な脅威とならない場合でも、米国が撃墜を検討していることが20日までに分かった。CNNの取材で明らかになった。<中略>
トランプ政権の計画立案に詳しい当局者は北朝鮮のミサイル開発の進展について、たとえ米国や同盟国への落下が予想されない場合でも、国防総省が迎撃を勧告するようなレベルの脅威に達しているのかどうかを見極める必要があると指摘した。<中略>
直接的な脅威にはならないミサイルを迎撃する案は以前から浮上していた。しかし米国防幹部は、日本の上空を通過するミサイルを北朝鮮が2回続けて発射したことで、直接的な脅威をもたらさないミサイルの迎撃を検討しなければならない可能性が極めて現実的になったと指摘する。<中略>
韓国を「重大な危険」にさらさないような軍事的選択肢があるのかという質問に対しては、「確かにある。だが詳細には踏み込まない」と語るにとどめた。
マティス国防長官が言及した選択肢が、通常兵器を使った攻撃を意味するのかどうかは不明だ。
国防総省は密かにサイバー攻撃を仕掛ける可能性についても検討している。ほかにも通常兵器を使わない選択肢として、上空または陸上での武力誇示、戦艦や兵士の増派による軍事プレゼンスの増強などが考えられる。<後略>
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 トランプ大統領の言葉はなかなか本心を推測するのは難しいのだが、マティス国防長官の言葉には、ひねくれた駆け引きはあまり含まれていないと思う。

 「軍事オプションを実行する可能性はあまり高くない」という考えに私が傾いていた理由は、もし戦争になれば「日本と韓国は壊滅的な被害を被る可能性が非常に高い」という点が根拠になっている。

 しかし、もし”本当に”日本や韓国を重大な危険にさらさないような軍事オプションがあるのであれば、話は根底から覆る。

 ただし、ここで”本当に”と強調したのは「軍事オプションに踏み切るのに十分な説得力があれば良い」という意味合いである。

 トランプ大統領が、「もし日本と韓国が壊滅的な被害を被っても、米軍(米国)の被害は最小で抑えられる」と考えて、軍事オプションを選択することは絶対に無いと思うが、実際に戦争が始まってから予定通りにいかず、やっぱり壊滅的な被害が出てしまいましたという可能性もあるということである。


 マティス国防長官が言及した、韓国を「重大な危険」にさらさないような軍事オプションが、サイバー攻撃による指揮系統の混乱や軍事兵器の無効化を狙ったものである可能性も指摘されている。

 実は私は、9/3(日)の水爆実験の時に北朝鮮が初めて言及した、EMP(電磁パルス)攻撃の可能性を聞いて、米国が先制攻撃でEMP攻撃を仕掛ければ、もしかしたら日本や韓国に被害を出さずに軍事オプションを実行できる可能性が有るのではないかと考えていた。

(4)「「電磁パルス」と「火星13」 北朝鮮が目論む次の挑発」(AERA dot. 2017/9/13)
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<前略>
 水爆実験の成功は、北朝鮮が米国を威嚇し、軍事攻撃を抑止するための選択肢が増えたことを意味する。核実験に合わせて北朝鮮が初めて言及したのが、EMP(電磁パルス)弾の開発だ。EMP攻撃は高度数百キロの上空で核爆発を起こし、強力な電磁波を発生させて電気・電子機器を損壊する。兵器など軍事施設を麻痺させるばかりか、大規模停電が起こり、生活基盤となる社会インフラをも破壊することになる。しかも完全復旧には年単位の時間がかかるというから、ターゲットにされた国は尋常ではない被害を受けることになる。早稲田大学大学院アジア太平洋研究科の李鍾元(リージョンウォン)教授が解説する。
「核爆発させる高度によって異なるでしょうが、半径数百キロから1千キロに及び、日本本土がすっぽり入ります。アメリカの上空で爆発させても、広範なエリアの都市が機能不全状態に陥ることになる。現時点で北朝鮮のICBMは数が限られているし、命中精度や誘導能力も十分ではない。しかし、EMP攻撃ならば命中力は精密でなくてもいいし、大気圏再突入技術も必要ない。米国への威嚇として、金正恩氏はEMP攻撃のような使い方もあるのだぞ、と誇示しているのです」
<後略>
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 このEMP攻撃を日本全土が入る範囲で実行され、もし米国空母打撃もそのエリアに入っていたら、全ての戦力が無力化され日本全土が壊滅的な被害を受ける可能性がある。

 しかし、このEMP爆弾は理論的には可能であろうが、実際に実験を重ねた訳では無くとても実践投入できるレベルとは思えず、本当に思った通り確実に機能させられるかは未知数だと感じる。

 これはおそらく米国でも同様で、北朝鮮だけでなく中国にも影響を与える可能性もあり、実戦で使用するのはリスクが高すぎると思って、この考えを捨ててしまった。

 しかし、国連総会でのトランプ大統領の強気の発言を聞いていると、もしかしたら北朝鮮の兵器を無効化できる何らかの有効な攻撃があると自信を持っているのではないかと思えてくる。

 だとすると、後は北朝鮮を攻撃する正当性を、如何に各国に納得してもらえるかを考えているのではないか? その為に、金正恩委員長を必要以上に挑発し、北朝鮮から仕掛けてきたのだと言い訳できるように仕向けているのではないか? と思われてならないのだ。

 そしてもしかしたら、安倍首相が解散総選挙を急いだ一番の理由も、11月以降から来年の前半のどこかで、米国が北朝鮮に攻撃を仕掛ける可能性が高くなっており、今から10月末までを逃せば、解散総選挙どころでは無くなることが解っていたからではないかと思うようになった。


 もう1点気になっているのは、ここ2回の順安(スナン)地区からのミサイル発射の状況を見ると、金正恩委員長は米国は北朝鮮を決して攻撃などできないと確信して安心しきっているのではないかという点だ。

 米国がこの状況をうまく利用して、日本や韓国を「重大な危険」にさらさないような軍事オプションとして、重要人物の排除による指揮系統の無力化を狙ってくるのではないかとも感じる。


 9/16のエントリー「【9/19追記有】9/15北朝鮮ミサイル発射の私的分析とこれからの予測」では、私は以下の順番で可能性が高いと思っていた。

 1.米国・中国・ロシアが北朝鮮の核保有を暗黙に認めてしまうケース(50%)
 2.米国と中国(+ロシア)が一致団結して、北朝鮮の体制転換を許容するケース(40%)
 3.米国が北朝鮮に軍事オプションを行使するケース(10%)

 米国・中国・ロシアが北朝鮮の核保有を暗黙に認めてしまうケースが一番可能性が高いと思った理由は、将来において日本と韓国は北朝鮮の核による脅しに悩まされ屈し続ける悪夢が待ち受けているが、米国はそんなことは無いと思ったからだ。

 しかし、金正恩委員長の性格を考えると必ずしもそうとは言い切れず、もし北朝鮮の核保有を暗黙に認めてしまうと、将来において米国も北朝鮮の核による脅しに悩まされ続ける悪夢が待ち受けているのではないかと考えるようになった。


 従ってこれらのことを総合的に判断し、今は以下の順番で可能性が高く、11月以降から来年の前半は要注意ではないかと思っている。

 1.米国が北朝鮮に軍事オプションを行使するケース(70%)
 2.米国と中国(+ロシア)が一致団結して、北朝鮮の体制転換を許容するケース(30%)
 3.米国・中国・ロシアが北朝鮮の核保有を暗黙に認めてしまうケース(0%)


 予想が外れてくれ! やっぱり平和が一番だ!!!


追記 2017/9/21 21:00

p.s.

(5)「安倍首相も“異次元”国連演説 北問題に「必要なのは圧力」」(日刊ゲンダイ 2017/9/21)
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 安倍晋三首相が現地時間の20日午後(日本時間21日未明)、米ニューヨークの国連総会で一般討論演説を行った。ほとんどを北朝鮮批判に充て、「北朝鮮の完全破壊」を叫んだ米トランプ大統領の前日の演説に続く、“異次元”の内容だった。<中略>
 ただ、世界が注目したトランプ演説とは違って安倍首相の演説時は議場に空席が目立った。<後略>
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 ニュースで見て、聴衆が少なそうだなぁと感じたが、案の定だったようだ。テレビの編集も聴衆席を写さないように気を使っていた・・・



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Category - クローズアップ(雑多)

北朝鮮有事

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