51%の真実

クローズアップ(雑多)

不寛容社会と不謹慎狩り

 NHK「貧困女子高生」報道へのバッシング騒動(注1)が一段落したようなので、遅ればせながら私の思いを書いてみたい。

 事の発端は、8/18の「NHKニュース7」で、神奈川県の設置した「かながわ子どもの貧困対策会議」が同日開いたイベントで発言する県内の高校3年の女子生徒を取り上げたことである。

 この騒動がネットで話題になっていたので、その週末に録画映像を見てみた。結論としては、「これが捏造だと言われたらNHKも女子高生もかわいそうだな、自分の感覚が世間一般とはそんなに違うんだろうか」という感想であった。早速ブログで取り上げようと思ったのだが、正確な情報が集まるまでやめておこうと考えた。

 なぜなら、ネットでは「2万円近くするペンを持っている」とか「部屋にアニメグッズがたくさんある」などの指摘があふれ、更に女子高生のツイッターでのつぶやきが発掘され「1000円以上もするランチを何度も食べている」とか「有名グループのコンサートやアニメイベントに行っている、同じ映画を何度も見ているので貧困ではない」と炎上が広がっており、真実を見極めたいと考えたからである。

 その後、「アパートに設置された室外機の写真を載せ、エアコンが無いというのは嘘だ」とか「30万円のアップル製のパソコンを持っている」などのデマが出回ったり、挙句の果てには、女子高生の「プライベートや容姿・人格にまで踏み込んでバッシング」するなど、不寛容社会と不謹慎狩りの極みと言える状況に発展していった。

 しかし結局、8/20にこの騒動に乗っかって目立とうとした片山さつき氏は、8/23には「NHKは貧困の典型例として取り上げたのではない」とツイッターでつぶやきフェードアウトし、8/25に 「NHKがまたやらせ問題で揺れている」という内容の記事を配信した「ビジネスジャーナル」は、8/31にHPに謝罪文を掲載するに羽目に陥った。

 この騒動を振り返って、以下のような反省点があるとは思うが、これを行ったからといって今回の騒動が発生するのを防げたか、炎上を抑えられたかというと、それは難しかったのではないかと思う。 
 ・NHKの報道の仕方にはもう少し配慮すべき点があった
 ・NHKがもう少し早く明確に見解を出すべきであった
 ・講演会を主催した神奈川県と「かながわ子どもの貧困対策会議」も、何らかの説明と対策をするべきであった

 一番重要なのは、現在の世の中に蔓延している「不寛容社会」や「不謹慎狩り」を生んでいる根本的な原因は何なのかを突き詰め、対策を考えることが必要であり、また「マスメディア(特にテレビ)に対する不信感」を払拭する努力を、関係者は本気で考える必要があるということではないだろうか。

 被害者である女子高生が受けた心の傷のことを考えると、自分ではとても耐えられないなと感じる。関係者の方にはせひ心のケアを十分に行って欲しいと思う。

 ネットで発信する人には、祭りに乗り遅れまいとそんなに焦って発信するのではなく、ちょっと一息入れて、今自分が持っている情報がどのくらい信頼できるものなのかをもう一度良く確かめ、相手の立場に立って考えてみる時間を取ってみてはどうだろうと提言したい。

(注1)
騒動の経緯については「NHK 「貧困女子高生」に批判・中傷 人権侵害の懸念も」(毎日新聞)を一例として参照のこと。


p.s.
 関係する最近の話題として、「高畑淳子、自爆…“避難所”発言で非難殺到 親バカの極み 被害者への認識甘く」(zakzak)についても少し書いておきたい。
 確かに「避難所」発言は少し不謹慎かもしれないが、それではどんな言葉だったら良かったのだろうか? 「一息つける場所」だろうか、それとも「ホッとする場所」だろうか。多分どの言葉に置き換えてもダメで、そんな気持ちになること自体許さないという雰囲気があるのではないだろうか。
 「避難所」という言葉を取り上げて攻めている人たちは、みんなそんなに完璧な人間なのだろうか?
 最近、忖度(そんたく)という言葉をあまり良い意味で使う機会が無かったのだが、みんなもう少し相手の気持ちを忖度してあげる寛容な気持ちを持てないものだろうか・・・

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