TBSとNHKの世論調査結果に思う
7月第2週のTBSとNHKの世論調査結果で、気になった点を簡単にコメントしておきたい。
表1は、昨年の10月から今年の7月までの、各月のTBSとNHKの内閣支持率を表にしたものである。
※最初に注記しておきますが、TBSをピンクハッチング、NHKを青ハッチングにしているのは、TBSがNHKよりも支持率(と不支持率)が高めに出ることを前提として認識してもらいたいからです。これは、”その他”の数値を比較して貰えば解る様に、TBSは質問の際に、”どうしてもどちらかを選ぶとしたら支持か不支持か”というような聞き方をしている為に、”その他”がNHKよりも極端に少なくなっているからだと思われます。
私が内閣支持率の推移を記録し始めた2016年8月から2018年3月まで、TBSとNHKの支持率の差は、平均で6.8%TBSが高く出ていた。
ちなみに最大は12.8%、最小は0.7%であるが、この0.7%は2017年8月第1週で、8/3内閣改造による支持率回復の影響が出ていない、2017年で最も安倍内閣が危機に瀕していた時の値である。(2番目に小さいのが2016年11月の1.6%、3番目が2016年9月の3.3%、4番目が2017年の3.7%、後は4.0%、4.1%、4.6%、5.3%と続くのだが・・・、ただし連続して差が小さい月は無い!)
翻って2018年4月以降は4カ月連続で差が小さく、平均で1.2%しかTBSが高く出ていない。ちなみに最大は2.6%、最小は7月第2週のマイナス0.9%でなんとNHKの方が高く出ているのだ!
この原因(納得できる理由)を考えていたのだが、TBSの支持率の中身を良く見てみると2018年の3月頃から、ある程度支持からあまり支持しないへ意見を変えている人が目立ってきている。
おそらくNHKのその他の20%弱の人たちも、どちらかと言えば支持しない人の割合が増えてきているのだと思われる。
この約1年半のモリカケ追及は、結局安倍政権の底堅さを証明しただけだと感じていたが、実はじわじわと安倍政権の体力を奪ってきており、トレンド(風向き)は徐々に逆風に変り始めているのだと思い直した。
ただし、これはモリカケだけでなくその他の様々な案件が積み重なっての結果であると思うので、野党やマスコミを含め安倍政権に憂慮している勢力はモリカケだけに拘らず、安倍政権や自民党のおかしい政権運営について、地道に追及していくことが重要だと感じる。
次に自民党の参院選挙制度改革案についてだが、国民は反対の方が多い。
(1)「公職選挙法改正案について?」(TBS NEWS JNN世論調査 調査日 2018年7月7日,8日)
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自民党は、参議院の定数を6議席増やすことなどを盛りこんだ公職選挙法の改正案を先月、国会に提出しました。
あなたはこの法案に賛成ですか、反対ですか?
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(2)「参院選挙制度改革 定数増などへの賛否」(NHK選挙WEB 内閣支持率 2018年7月(7月10日更新))
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<前略>
自民党は、参議院選挙の1票の格差を是正するため、定数を6増やすとともに、比例代表の一部に、あらかじめ候補者の順位を決めておく「特定枠」を設けるなどとした法律の改正案を国会に提出しています。この法案に賛成か反対か聞いたところ、「賛成」が11%、「反対」が36%、「どちらともいえない」が45%でした。
<後略>
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しかしながら、これまでも様々な問題のある法案で反対が多くても安倍政権(自民党)には強行突破され成立を余儀なくされてきた。
これは、強行採決後に内閣支持率が下がらなかったり、問題を起こしても時間が経つと支持率を回復をさせてしまって来たことによる必然なのだ。
国民(特に”パタパタ支持者”)には、そこのところを良く考えて欲しいと思う。
最後に、これをきっかけとして衆院を含めた選挙制度の抜本的改革についての議論が、日本全体に広がっていくことを期待したい。
【表1】RDD方式による各TV局の世論調査結果 2018/7/9時点のデータまとめ 51%の真実 B4
TBS | 調査日 | 10/14-15 | 11/11-12 | 12/2-3 | 1/13-14 | 2/3-4 | 3/3-4 | 4/7-8 | 5/12-13 | 6/2-3 | 7/7-8 |
内閣支持率 | 48.7% | 53.1% | 52.7% | 54.6% | 50.6% | 49.3% | 40.0% | 40.6% | 39.0% | 43.1% | |
不支持率 | 49.2% | 45.8% | 45.7% | 43.9% | 46.8% | 48.9% | 58.4% | 57.7% | 59.1% | 55.8% | |
その他 | 2.0% | 1.1% | 1.6% | 1.5% | 2.6% | 1.9% | 1.7% | 1.7% | 1.9% | 1.1% | |
NHK | 調査日 | 10/7-9 | 11/10-12 | 12/8-10 | 1/6-8 | 2/10-12 | 3/9-11 | 4/6-8 | 5/11-13 | 6/8-10 | 7/7-8 |
内閣支持率 | 37% | 46% | 49% | 46% | 46% | 44% | 38% | 38% | 38% | 44% | |
不支持率 | 43% | 35% | 35% | 37% | 34% | 35% | 45% | 44% | 44% | 39% | |
その他 | 20% | 19% | 16% | 17% | 20% | 19% | 17% | 18% | 18% | 17% |
表1は、昨年の10月から今年の7月までの、各月のTBSとNHKの内閣支持率を表にしたものである。
※最初に注記しておきますが、TBSをピンクハッチング、NHKを青ハッチングにしているのは、TBSがNHKよりも支持率(と不支持率)が高めに出ることを前提として認識してもらいたいからです。これは、”その他”の数値を比較して貰えば解る様に、TBSは質問の際に、”どうしてもどちらかを選ぶとしたら支持か不支持か”というような聞き方をしている為に、”その他”がNHKよりも極端に少なくなっているからだと思われます。
私が内閣支持率の推移を記録し始めた2016年8月から2018年3月まで、TBSとNHKの支持率の差は、平均で6.8%TBSが高く出ていた。
ちなみに最大は12.8%、最小は0.7%であるが、この0.7%は2017年8月第1週で、8/3内閣改造による支持率回復の影響が出ていない、2017年で最も安倍内閣が危機に瀕していた時の値である。(2番目に小さいのが2016年11月の1.6%、3番目が2016年9月の3.3%、4番目が2017年の3.7%、後は4.0%、4.1%、4.6%、5.3%と続くのだが・・・、ただし連続して差が小さい月は無い!)
翻って2018年4月以降は4カ月連続で差が小さく、平均で1.2%しかTBSが高く出ていない。ちなみに最大は2.6%、最小は7月第2週のマイナス0.9%でなんとNHKの方が高く出ているのだ!
この原因(納得できる理由)を考えていたのだが、TBSの支持率の中身を良く見てみると2018年の3月頃から、ある程度支持からあまり支持しないへ意見を変えている人が目立ってきている。
おそらくNHKのその他の20%弱の人たちも、どちらかと言えば支持しない人の割合が増えてきているのだと思われる。
この約1年半のモリカケ追及は、結局安倍政権の底堅さを証明しただけだと感じていたが、実はじわじわと安倍政権の体力を奪ってきており、トレンド(風向き)は徐々に逆風に変り始めているのだと思い直した。
ただし、これはモリカケだけでなくその他の様々な案件が積み重なっての結果であると思うので、野党やマスコミを含め安倍政権に憂慮している勢力はモリカケだけに拘らず、安倍政権や自民党のおかしい政権運営について、地道に追及していくことが重要だと感じる。
次に自民党の参院選挙制度改革案についてだが、国民は反対の方が多い。
(1)「公職選挙法改正案について?」(TBS NEWS JNN世論調査 調査日 2018年7月7日,8日)
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自民党は、参議院の定数を6議席増やすことなどを盛りこんだ公職選挙法の改正案を先月、国会に提出しました。
あなたはこの法案に賛成ですか、反対ですか?
賛成 | 15% |
反対 | 69% |
(答えない・わからない) | 16% |
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(2)「参院選挙制度改革 定数増などへの賛否」(NHK選挙WEB 内閣支持率 2018年7月(7月10日更新))
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<前略>
自民党は、参議院選挙の1票の格差を是正するため、定数を6増やすとともに、比例代表の一部に、あらかじめ候補者の順位を決めておく「特定枠」を設けるなどとした法律の改正案を国会に提出しています。この法案に賛成か反対か聞いたところ、「賛成」が11%、「反対」が36%、「どちらともいえない」が45%でした。
<後略>
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しかしながら、これまでも様々な問題のある法案で反対が多くても安倍政権(自民党)には強行突破され成立を余儀なくされてきた。
これは、強行採決後に内閣支持率が下がらなかったり、問題を起こしても時間が経つと支持率を回復をさせてしまって来たことによる必然なのだ。
国民(特に”パタパタ支持者”)には、そこのところを良く考えて欲しいと思う。
最後に、これをきっかけとして衆院を含めた選挙制度の抜本的改革についての議論が、日本全体に広がっていくことを期待したい。
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