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理想的な選挙制度を考える4 ~小選挙区割り得票率方式全国区制1~ (選挙制度考察10)

B4

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 前回エントリー「理想的な選挙制度を考える3 ~中選挙区制~」の最後に”次回は、公明党の組織票について掘り下げてみようかと考えている。”と書いた。

 これは、前回エントリーの表8と表9で示した小選挙区のシミュレーション結果で、公明党の得票率と議席率が最小値になっている部分を何とか補正できないか、そしてこれは、「選挙制度考察5_野党共闘が不要な選挙制度に変えるべきだ!」で提案した(が失敗であった)”一人一票小選挙区比例代表並立制”の検証にも必要不可欠だと考えていたからだ。

 その後、公明党の組織票についてデータのまとめと検証作業に取り掛かったのだが、これは非常に困難でなかなかデータのまとめが進まなかった。

 この間に時折、選挙制度に関する過去のエントリーを読み返していたのだが、過去3回の「理想的な選挙制度を考える」のエントリーの中で、小選挙区制/中選挙区制/比例代表制の3つのうち、中選挙区制が最も私の考える理想に近いと感じていた。(ただ、”一人一票小選挙区比例代表並立制”にも可能性を感じており未練を残していた。)

 そして、公明党の組織票(約7700~800万票と考えているが、根拠に関するエントリーは出来ていない)について、これを排除することに拘り過ぎると選挙制度そのものを歪め本末転倒になってしまうとも感じている。

 従って最低限”一人一票”の選挙制度であれば良く、後は公明党や同党を支持する有権者がどう考えるかに任せるしかないと考えている。

 そうこうしているうちに今月に入りふと、”一人一票小選挙区比例代表並立制”の考え方(エッセンス)をうまく実現する選挙方式を思いついた。実際はまったく別物の選挙制度なのだが、それが”小選挙区割り得票率方式全国区制”である。


 いつものごとく前置きが長くなってしまったが、ここからは”小選挙区割り得票率方式全国区制”とは何か(選挙方式案とシミュレーション結果)について書いていきたい。

選挙方式案(本案)

<前提>
 (1)選挙区割りは現行の小選挙区比例代表並立制の小選挙区を流用する
 (2)定数は現行の小選挙区比例代表並立制の465とする
<立候補~投票>
 (3)候補者はいづれかの小選挙区に立候補する
 (4)有権者は自分の選挙区の候補者の一人に投票する(一人一票)
<開票~当選確定>
 (5)各選挙区で開票し、当日有権者数に対する各立候補者の得票率(当落得票率)を算出する
 (6)全ての立候補者の当落得票率を大きい順に並べ上から465名を当選とする(日本を1つの全国区とみなす)

 本案の”小選挙区割り得票率方式全国区制”を頭の中でシミュレートした時に、全ての選挙制度のメリットを平均以上に取り込み、デメリットを平均以下に抑えている選挙制度では無いかと私は感じた。例えば以下のような感じである。


●得票率と議席率の乖離(死票)の少なさ
 比例代表制>>本案(?)>中選挙区制(?)>全国区制(?)>小選挙区比例代表並立制(?)>小選挙区制

●一票の格差
 比例代表制>>本案(?)>全国区制(?)>中選挙区制(?)>小選挙区比例代表並立制(?)>小選挙区制

●公明党組織票による選挙結果の歪みの少なさ
 比例代表制>>中選挙区制(?)>本案≒全国区制≒小選挙区制(?)>小選挙区比例代表並立制(?)

●無所属候補者の不利益の少なさ
 本案≒全国区制≒小選挙区比例代表並立制≒中選挙区制(?)>小選挙区制>>比例代表制


 さてそれでは、第48回衆院選小選挙区の得票結果に基づくシミュレーション結果を【表1】に示す。


【表1】 第48回衆院選の小選挙区得票数を基にした議席シミュレーション  データまとめ 51%の真実 B4
定数(465) 定数(465) 定数(300) 定数(289) 定数(511)
小選挙区割り得票率方式全国区制(注2) 小選挙区比例代表並立制(注2) 比例代表制 小選挙区制(注2) 中選挙区制
公明党組織票下駄有り みんなの党案 公明下駄有り 公明500万票上乗せ
党派 得票数 得票率 議席 議席率 議席 議席率 議席 議席率 議席 議席率 議席 議席率
自由民主党 26,500,723 48% 273 59% 281 60% 101 34% 215 74% 220 43%
公明党 832,453 2% 9 2% 29 6% 38 13% 8 3% 55 11%
日本のこころ - - - - 0 0% 0 0% - - - -
与党小計 27,333,176 49% 282 61% 310 67% 139 46% 223 77% 275 54%
希望の党 11,437,602 21% 92 20% 50 11% 52 17% 18 6% 120 23%
日本共産党 4,998,932 9% 4 1% 12 3% 24 8% 1 0% 25 5%
日本維新の会 1,765,053 3% 11 2% 11 2% 18 6% 3 1% 9 2%
立憲民主党 4,726,326 9% 35 8% 54 12% 60 20% 17 6% 44 9%
社会民主党 634,719 1% 2 0.4% 2 0% 5 2% 1 0% 3 0.5%
新党大地 - - - - 0 0% 1 0% - - - -
幸福実現党 159,171 0% 0 0% 0 0% 1 0% 0 0% 0 0%
支持政党なし - - - - 0 0% 0 0% - - - -
その他諸派 52,081 0% 0 0% 0 0% - - 0 0% 0 0%
無所属(注1) 4,315,028 8% 39 8% 26 6% - - 26 9% 35 7%
野党小計 28,088,912 51% 183 39% 155 33% 161 54% 66 23% 236 46%
合計 55,422,088 100% 465 100% 465 100% 300 100% 289 100% 511 100%
注1:数値には自由民主党3名・立憲民主党1名の追加公認4名分を含む
注2:小選挙区割り得票率方式全国区制、小選挙区比例代表並立制、小選挙区制の議席率には公明党組織票下駄有り


 今回のシミュレーション結果は、現行の小選挙区比例代表並立制の結果と比較して、私の考える理想的な選挙制度の方向に向かってはいるが、思ったよりは良くなっていないと率直に感じる。

 しかし、これには大きく2つの要因があると思われる。

 1つ目は公明党の組織票の影響で、自民党の議席数が多く公明党の議席数が少なくなっていること、2つ目は前原民進党代表の乱心により、(立憲民主党の立候補者数が少ないことと野党候補の分散により、)野党第1党立憲民主党の議席数が少なくなっていることが響いていると感じる。

 第48回衆院選は非常に特殊な状況下で行われた選挙であり、第47回(~第45回)衆院選を基にしたシミュレーション結果を見てから、最終的な判断を下したいと考えている。


 「小選挙区割り得票率方式全国区制2」に続く・・・



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最終更新日2018-11-25
Posted byB4

Comments 4

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mew  
う~ん

ご無沙汰しています。

制度を理解するのが、ちょっとmewには難しかったかも。
(てか、まだ理解できていないかも。)

まず289の小選挙区で戦って、その得票率を全国で並べて、
上から465人を当選とする・・・という理解で合ってますか?

とするなら、並立制同様、1選挙区で複数当選もあり得るわけですね。

たとえば、1選挙区に5~6人立って、TOPの得票率が低かった場合、
TOPでも当選しないことがある得るということでしょうか?

時間を置いて2~3回読んだけど、もう1回読んでみます。

野党共闘、どうしましょうね~。
立民党には、わが道を行って欲しい気持ちもあるし。
国民党でもともと同じような考えだった人とは、一緒になって、
もう少し野党の規模を大きくして欲しいという気持ちもあるし。
複雑です。  

かなり寒くなって来たので、お体にお気をつけて!

2018/11/25 (Sun) 03:03 | EDIT | REPLY |   
B4  
Re: う~ん

mewさん、おはようございます。

> まず289の小選挙区で戦って、その得票率を全国で並べて、
> 上から465人を当選とする・・・という理解で合ってますか?
>
> とするなら、並立制同様、1選挙区で複数当選もあり得るわけですね。
>

その通りです。「当日有権者数に対する得票率」という点が”みそ”になります。


> たとえば、1選挙区に5~6人立って、TOPの得票率が低かった場合、
> TOPでも当選しないことがある得るということでしょうか?
>

そうですね、可能性としては有ります。しかしその可能性はかなり低いと思います。
例えば、有権者40万人の1選挙区に有力な候補が5人立って、投票率が50%だったと仮定して、一人の得票が4万票くらいになってしまったら有り得ます。
ちなみに、第48回衆院選でのシミュレーションでは、最小得票当選者は長野県第4区の40,863票(当日有権者数:246,516人 最終投票率:62.54%、3人立候補の3人目)でした。また各小選挙区で、一人も当選できない選挙区はありませんでした。

先程”みそ”と書いたのは、投票率が上がれば得票数と得票率が上がり多数当選の可能性が高くなる点です。投票するインセンティブが与えられるのではないかと思っています。

1票の格差の計算は選挙方式でも異なり、どう計算すれば正しく比較できるか悩んでいますが、私の案では「当日有権者数に対する得票率」にすることで緩和しています。(第48回の最大得票数÷最小得票数=1.87となっています。)
最終的に各小選挙区の当日有権者数を30万人±5万人くらいに出来れば、もっと低く抑えられるのではないかと思っています。

公明党の組織票も各小選挙区では平均2万~3万人程度になると考えられ、公明党が組織票で多数当選してしまう可能性も少ないのではと期待しています。
リスクは逆に自民党と公明党で、各選挙区に2名ずつ出して、それぞれの得票数を7万程度に調整してくることかなと思っていますが、これはなかなか難しい調整ではないかと思っています。


> 野党共闘、どうしましょうね~。
> 立民党には、わが道を行って欲しい気持ちもあるし。
> 国民党でもともと同じような考えだった人とは、一緒になって、
> もう少し野党の規模を大きくして欲しいという気持ちもあるし。
> 複雑です。  

複雑ですね。もう少し野党の規模を大きくして欲しいですが、立民は全国で地道に良い候補者を選定して行くのが最善ではないかと感じます。

国会での質問の仕方ももっと考えないといけないと思います。大臣の資質を言う前に、野党議員の質問者としての資質(国会議員の資質)が問われていることを認識して欲しいと感じます。


ところで、前に総統選の雰囲気を現地で体感したことが有るのですが、台湾の選挙(国民の意識の高さ)は羨ましいですね。自分達で政治を良い方向に動かすのだという、当たり前のことを当たり前に行っています。

ここ数日寒くて冬眠しそうになっていますが、今年はパンダになって冬眠せずに雪も楽しめればと思います。

ではお互いに体に気を付けて頑張りましょう。

2018/11/25 (Sun) 06:36 | EDIT | REPLY |   
B4  
Re: Re: う~ん

mewさん

コメント頂いた内容を吟味しているなかで、現在検証している「小選挙区割り得票率方式全国区制(本案)」の致命的な欠点に気が付きました・・・

> リスクは逆に自民党と公明党で、各選挙区に2名ずつ出して、それぞれの得票数を7万程度に調整してくることかなと思っていますが、これはなかなか難しい調整ではないかと思っています。
>
> 1票の格差の計算は選挙方式でも異なり、どう計算すれば正しく比較できるか悩んでいますが、私の案では「当日有権者数に対する得票率」にすることで緩和しています。(第48回の最大得票数÷最小得票数=1.87となっています。)
> 最終的に各小選挙区の当日有権者数を30万人±5万人くらいに出来れば、もっと低く抑えられるのではないかと思っています。
>

小選挙区289で定数465だと、自民党が各小選挙区に一人だけ立候補させるとおそらく全員が当選してしまい、289÷465=62%の議席を常に確保できてしまうのではないか?

1票の格差の問題よりもこちらの方が大問題で、選挙区数÷定数<40%の条件を加える必要が有りそうです。

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定数465なら小選挙区186となり、第40回衆院選の中選挙区129に近づきますね!
もしくは定数を500くらいまで戻せば、200選挙区。289選挙区なら定数が722・・・。この場合議員の給料を3割強下げる方向でと思いますが、自民党も候補者を増やして当選者も増えそうだからどうなる事か???
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でも、よく考えたら第48回衆院選のシミュレーションで、自民党は小選挙区に277人の候補者を立てて、公明党の組織票の上乗せがあっても273人の当選しか出来ていないし、小選挙区と比例区を合わせた立候補者は重複を除いて332人もいるのだから、289人に絞るのも難しいし、弾かれた人は無所属でも立候補するだろうから、致命的な問題では無いのかもしれない。

一体どうなるのか?

このシミュレーションは非常に難しくなるので、取りあえずは現行のシミュレーションを続けたいと思います・・・

2018/11/25 (Sun) 12:12 | EDIT | REPLY |   
B4  
【訂正あり】Re: う~ん

mewさん

> 1票の格差の計算は選挙方式でも異なり、どう計算すれば正しく比較できるか悩んでいますが、私の案では「当日有権者数に対する得票率」にすることで緩和しています。(第48回の最大得票数÷最小得票数=1.87となっています。)
> 最終的に各小選挙区の当日有権者数を30万人±5万人くらいに出来れば、もっと低く抑えられるのではないかと思っています。
>

1票の格差の計算結果に間違いがありました。
計算式(関数)の結果がソーティングの際に正しい数値を示さなくなっていたことを見落としていました。
どうやら1.87の2倍くらいにはなりそうです・・・

コメント欄で書いた内容は、精査して次回のエントリーに取り込む予定です。

2018/11/27 (Tue) 22:31 | EDIT | REPLY |   

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