その解散総選挙に大義はあるのか?
9月26日に第192臨時国会が召集された(注1)ばかりだが、永田町やマスメディア界隈では12月末~1月初での解散総選挙の可能性が騒がれ、テレビでもかなり取り上げられる様になっている。そこで8/9のエントリー「民進党代表選と次期衆院選」を振り返りながら、最新の情報も交えて、次期衆院選の実施時期と作り上げられるであろう解散理由について書いてみたい。
●数年先までの重要なマイルストーン以下の通り。(青色部分を最新の情報でアップデートした)
(1) 2016年 9月26日 臨時国会の召集
(2) 2016年12月15日 日露首脳会談
(3) 2016年12月下旬 2017年度予算編成
(※通常は、9月に財務省と各省庁の折衝開始、12月末に政府案閣議決定、3月末に成立)
(4) 2017年 5月 衆院小選挙区の区割り変更勧告
(5) 2017年 夏 東京都議会議員選挙
(6) 2018年4月8日 日銀総裁任期
(7) 2018年 9月 自民党総裁任期
(8) 2018年12月 衆院任期満了
(9) 2020年 夏 東京オリンピック
まず、年末年始に安倍首相が解散を決断するのに、絶対不可欠な条件は、以下の1点であると考えられる。
”現在の議席数を維持(数議席の減は許容範囲)又は上乗せできる事前調査が出ること”
現時点では、まだこの条件は整っておらず、最大で50議席くらい減る予測になっているようだ。しかし安倍首相は以下の項目の状況次第で、条件が整うと考えているに違いない。
(1) 臨時国会中に蓮舫民進党への期待が膨らまず、安倍政権と自民党の支持率が現状維持できる
(2) 蓮舫民進党がガタガタすることにより、野党共闘が崩れ衆院一人区小選挙区の候補者調整が進まない
(3) 日露首脳会談の成果アピールで、安倍首相の支持率が高まる
これらの条件を考慮すると、現時点で年末年始での解散総選挙の可能性は「五分五分もしくは四分六分」くらいで、安倍首相は「解散したいが、まだできない」と思っているのではないだろうか。しかし自民党が、2017年の定期党大会を例年の1月ではなく、3月5日に開催することを決めた(注2)ことから、解散の確率がどんどん高まっていく可能性は、残念ながら非常に高いと言わざるを得ない。
これらを踏まえて私は、2016年12月末~翌年始 → 2018年夏~9月 → 2017年11月~翌年始の順番で、次期衆院選が行われる可能性が高いと考えを改めた。(注3)
それでは解散総選挙の理由・大義を、安倍首相はどのように言い繕おうとしているのだろうか。私が想像しているのは、以下の様な理由にならない言い訳である。
(1) TPPを進めるのか止めるのか、国民に信を問いたい
(2) これまでの4年間の安倍政権を信任し、これからも続けて良いのか国民に信を問いたい
「伝家の宝刀 ~解散総選挙について~」にも書いたが、とにかく「年末年始の衆院解散が現実味を帯びてきたら、マスコミや国民は大いに怒り、それを阻止すべく行動しなければならない」と考えている。
そしてマスメディアには、視聴率が取れるからと言って「豊洲問題」や「小池政治塾」を必要以上に細かく深堀りするだけでなく、これまでの「安倍政権の総括」や「政治とお金の問題」を、そして「今、解散総選挙を行う大義があるのか」についても、もっと国民が関心を持てるように、わかり易く伝えるよう努力して欲しいと思う。
(注1)
安倍首相の所信表明演説については、「首相、脱デフレへ「未来に投資」 所信表明演説」(日経新聞)を参照のこと
(注2)
「自民、来年3月5日に党大会=「冒頭解散」臆測も」(時事通信)
----
自民党は、2017年の定期党大会を3月5日に東京都内で開くことを決めた。27日の総務会で正式決定する。党関係者が23日、明らかにした。党大会は例年、1月に開催することが多いが、3月に遅らせることで、1月召集の通常国会冒頭で衆院解散に踏み切るための布石との臆測も党内に出ている。 <後略>
----
(注3)
前回一番可能性が高いとしていた2017年秋(~冬)を、今回一番可能性が低いと判断した理由は、やっぱり来年末まで支持率が高い状況が続くはずは無いと(願望も含め)考えたいからです。前回も含めて最近非常に悲観的になっているので、1年後も支持率が落ちていないなんて「まさか」が起こるんじゃないかと疑心暗鬼状態です・・・
●数年先までの重要なマイルストーン以下の通り。(青色部分を最新の情報でアップデートした)
(1) 2016年 9月26日 臨時国会の召集
(2) 2016年12月15日 日露首脳会談
(3) 2016年12月下旬 2017年度予算編成
(※通常は、9月に財務省と各省庁の折衝開始、12月末に政府案閣議決定、3月末に成立)
(4) 2017年 5月 衆院小選挙区の区割り変更勧告
(5) 2017年 夏 東京都議会議員選挙
(6) 2018年4月8日 日銀総裁任期
(7) 2018年 9月 自民党総裁任期
(8) 2018年12月 衆院任期満了
(9) 2020年 夏 東京オリンピック
まず、年末年始に安倍首相が解散を決断するのに、絶対不可欠な条件は、以下の1点であると考えられる。
”現在の議席数を維持(数議席の減は許容範囲)又は上乗せできる事前調査が出ること”
現時点では、まだこの条件は整っておらず、最大で50議席くらい減る予測になっているようだ。しかし安倍首相は以下の項目の状況次第で、条件が整うと考えているに違いない。
(1) 臨時国会中に蓮舫民進党への期待が膨らまず、安倍政権と自民党の支持率が現状維持できる
(2) 蓮舫民進党がガタガタすることにより、野党共闘が崩れ衆院
(3) 日露首脳会談の成果アピールで、安倍首相の支持率が高まる
これらの条件を考慮すると、現時点で年末年始での解散総選挙の可能性は「五分五分もしくは四分六分」くらいで、安倍首相は「解散したいが、まだできない」と思っているのではないだろうか。しかし自民党が、2017年の定期党大会を例年の1月ではなく、3月5日に開催することを決めた(注2)ことから、解散の確率がどんどん高まっていく可能性は、残念ながら非常に高いと言わざるを得ない。
これらを踏まえて私は、2016年12月末~翌年始 → 2018年夏~9月 → 2017年11月~翌年始の順番で、次期衆院選が行われる可能性が高いと考えを改めた。(注3)
それでは解散総選挙の理由・大義を、安倍首相はどのように言い繕おうとしているのだろうか。私が想像しているのは、以下の様な理由にならない言い訳である。
(1) TPPを進めるのか止めるのか、国民に信を問いたい
(2) これまでの4年間の安倍政権を信任し、これからも続けて良いのか国民に信を問いたい
「伝家の宝刀 ~解散総選挙について~」にも書いたが、とにかく「年末年始の衆院解散が現実味を帯びてきたら、マスコミや国民は大いに怒り、それを阻止すべく行動しなければならない」と考えている。
そしてマスメディアには、視聴率が取れるからと言って「豊洲問題」や「小池政治塾」を必要以上に細かく深堀りするだけでなく、これまでの「安倍政権の総括」や「政治とお金の問題」を、そして「今、解散総選挙を行う大義があるのか」についても、もっと国民が関心を持てるように、わかり易く伝えるよう努力して欲しいと思う。
(注1)
安倍首相の所信表明演説については、「首相、脱デフレへ「未来に投資」 所信表明演説」(日経新聞)を参照のこと
(注2)
「自民、来年3月5日に党大会=「冒頭解散」臆測も」(時事通信)
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自民党は、2017年の定期党大会を3月5日に東京都内で開くことを決めた。27日の総務会で正式決定する。党関係者が23日、明らかにした。党大会は例年、1月に開催することが多いが、3月に遅らせることで、1月召集の通常国会冒頭で衆院解散に踏み切るための布石との臆測も党内に出ている。 <後略>
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(注3)
前回一番可能性が高いとしていた2017年秋(~冬)を、今回一番可能性が低いと判断した理由は、やっぱり来年末まで支持率が高い状況が続くはずは無いと(願望も含め)考えたいからです。前回も含めて最近非常に悲観的になっているので、1年後も支持率が落ちていないなんて「まさか」が起こるんじゃないかと疑心暗鬼状態です・・・
追記 2016/10/11
解散総選挙に関する話題を、以下のエントリーにも書いていますので、よろしければ覗いてみて下さい。
「【時事ニュース】 現行区割りの下での解散は許されるのか?」
「新潟県知事選と衆院補選の情勢(+解散&野党共闘)」
追記 2016/10/13
「【訂正有り】11月解散もあり得るか?」
追記 2016/10/15
新潟県知事選挙に関する最新の続報を、以下のエントリーにも書いていますので、よろしければ覗いてみて下さい。
「新潟県知事選の最新状況」
追記 2016/10/17
新潟県知事選挙の米山氏勝利の結果を受けて、以下のエントリーに今後の予測を書いていますので、よろしければ覗いてみて下さい。
「新潟県知事選の結果から先を読む ~原発再稼働&解散総選挙~ 」
追記 2016/10/18
以下のエントリーに衆院2補選の予測を書いていますので、よろしければ覗いてみて下さい。
「衆院2補選の情勢(東京10区、福岡6区)と解散総選挙」
追記 2016/10/24
衆院2補選の結果を受けて、以下のエントリーに民進党への要望を書いていますので、よろしければ覗いてみて下さい。
「衆院2補選の結果と民進党に望むこと」
追記 2016/10/25
解散総選挙について以下のエントリーにも書いていますので、よろしければ覗いてみて下さい。
「衆院補選結果から読む解散総選挙の確率」
解散総選挙に関する話題を、以下のエントリーにも書いていますので、よろしければ覗いてみて下さい。
「【時事ニュース】 現行区割りの下での解散は許されるのか?」
「新潟県知事選と衆院補選の情勢(+解散&野党共闘)」
追記 2016/10/13
「【訂正有り】11月解散もあり得るか?」
追記 2016/10/15
新潟県知事選挙に関する最新の続報を、以下のエントリーにも書いていますので、よろしければ覗いてみて下さい。
「新潟県知事選の最新状況」
追記 2016/10/17
新潟県知事選挙の米山氏勝利の結果を受けて、以下のエントリーに今後の予測を書いていますので、よろしければ覗いてみて下さい。
「新潟県知事選の結果から先を読む ~原発再稼働&解散総選挙~ 」
追記 2016/10/18
以下のエントリーに衆院2補選の予測を書いていますので、よろしければ覗いてみて下さい。
「衆院2補選の情勢(東京10区、福岡6区)と解散総選挙」
追記 2016/10/24
衆院2補選の結果を受けて、以下のエントリーに民進党への要望を書いていますので、よろしければ覗いてみて下さい。
「衆院2補選の結果と民進党に望むこと」
追記 2016/10/25
解散総選挙について以下のエントリーにも書いていますので、よろしければ覗いてみて下さい。
「衆院補選結果から読む解散総選挙の確率」
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