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理想的な選挙制度を考える5 ~小選挙区割り得票率方式全国区制2~ (選挙制度考察11)

B4

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※このエントリーを読む前に、前回エントリー「小選挙区割り得票率方式全国区制1」を読んで頂くことを推奨いたします。

 前回エントリーの【表1】では、小選挙区割り得票率方式全国区制(B4式小選挙区制)のメリットがきちんと示せなかった。これは、第48回衆院選が民進党分裂により小党乱立・野党共闘不調であったことが原因と考えたが、実は「自公連立・公明党組織票による自民党の底上げ」による影響の方が大きかった。

 従ってまずは、公明党組織票の下駄を除外した第48回衆院選小選挙区の得票結果に基づくシミュレーション結果を【表1’】に示す。


【表1’】第48回衆院選の小選挙区得票数を基にした議席シミュレーション  データまとめ 51%の真実 B4
定数(465) 定数(465) 定数(465) 定数(300) 定数(289) 定数(511)
小選挙区割り得票率方式全国区制 小選挙区割り得票率方式全国区制(注2) 小選挙区比例代表並立制(注2) 比例代表制 小選挙区制(注2) 中選挙区制
公明党組織票下駄無し 公明党組織票下駄有り みんなの党案 公明下駄有り 公明500万票上乗せ
党派 得票数 得票率 議席 議席率 得票数 得票率 議席 議席率 議席 議席率 議席 議席率 議席 議席率 議席 議席率
自由民主党 20,400,723 37% 240 52% 26,500,723 48% 273 59% 281 60% 101 34% 215 74% 220 43%
公明党 6,932,453 13% 9 2% 832,453 2% 9 2% 29 6% 38 13% 8 3% 55 11%
日本のこころ - - - - - - - - 0 0% 0 0% - - - -
与党小計 27,333,176 49% 249 54% 27,333,176 49% 282 61% 310 67% 139 46% 223 77% 275 54%
希望の党 11,437,602 21% 107 23% 11,437,602 21% 92 20% 50 11% 52 17% 18 6% 120 23%
日本共産党 4,998,932 9% 8 2% 4,998,932 9% 4 1% 12 3% 24 8% 1 0% 25 5%
日本維新の会 1,765,053 3% 13 3% 1,765,053 3% 11 2% 11 2% 18 6% 3 1% 9 2%
立憲民主党 4,726,326 9% 44 9% 4,726,326 9% 35 8% 54 12% 60 20% 17 6% 44 9%
社会民主党 634,719 1% 4 0.9% 634,719 1% 2 0.4% 2 0% 5 2% 1 0% 3 0.5%
新党大地 - - - - - - - - 0 0% 1 0% - - - -
幸福実現党 159,171 0% 0 0% 159,171 0% 0 0% 0 0% 1 0% 0 0% 0 0%
支持政党なし - - - - - - - - 0 0% 0 0% - - - -
その他諸派 52,081 0% 0 0% 52,081 0% 0 0% 0 0% - - 0 0% 0 0%
無所属(注1) 4,315,028 8% 40 9% 4,315,028 8% 39 8% 26 6% - - 26 9% 35 7%
野党小計 28,088,912 51% 216 46% 28,088,912 51% 183 39% 155 33% 161 54% 66 23% 236 46%
合計 55,422,088 100% 465 100%   55,422,088 100% 465 100% 465 100% 300 100% 289 100% 511 100%
注1:数値には自由民主党3名・立憲民主党1名の追加公認4名分を含む                        
注2:小選挙区割り得票率方式全国区制、小選挙区比例代表並立制、小選挙区制の議席率には公明党組織票下駄有り
●得票数       ●得票数      
最小得票当選 35,554 最小得票当選 40,863  
最大得票落選 67,070 最大得票落選 76,283  
一票の格差 1.89 一票の格差 1.87  
   
  ●選挙当日有権者数(議員1人あたり) 
  最小有権者数 82,172  
  最大有権者数 472,423  
          一票の格差 5.75    

 
 【表1’】の公明党組織票下駄無しの結果は、「選挙制度考察6_野党共闘検証~第48回衆院選~」で示した、公明党組織票6.1百万票による自民党の底上げを除いたものである。

 つまり、この選挙で小選挙区に立候補した自民党議員は277名だったので、単純に割り算して1人当たり約2万2千票が上乗せされたと仮定し、各候補者の得票数から差し引いた。

 すると、自民党の獲得議席は240議席まで減る。

 自民党から差し引いた公明党組織票6.1百万票は単純に公明党の得票数に足してあるが、下駄有り/下駄無しで公明党の当選者数が9議席と変わらないのは、公明党が各小選挙区に全て候補者を立てて1人当たり約2万2千票を獲得したと仮定した為である。

 なぜならこれにより、最小得票当選が35,554票の為、9人以外は全て落選することになるのである。


 一方で自民党の議席が減った分は、主要野党と無所属の議員に得票率に応じて公平に分配される。

 そして面白いのは、自公小計と野党小計の議席率が中選挙区制と同程度に収まることだ。これは当たり前と言えば当たり前かもしれない。

 なぜなら小選挙区割り得票率方式全国区制は、中選挙区制の区割りを小選挙区まで小さくすることと、同じような考え方に基づく選挙制度だからだと思う。


 中選挙区制の場合と結果が大きく異なるのは、自民党と公明党の獲得議席の割合だ。

 小選挙区割り得票率方式全国区制では公明党が中選挙区制よりも議席を獲得しにくくなるだろうと思う。ただし【表1’】の小選挙区割り得票率方式全国区制の公明党組織票下駄無しは最も自公の議席が少なくなるケース、公明党組織票下駄有りは最も自公の議席が多くなるケースで、実際には自民党も公明党も議席がもう少し多くなりそうだと感じている。

 それは、公明党が組織票の割り振りを調整して来るだろうと思うからだ。

 しかし現状の選挙制度で30議席程度、中選挙区制で50議席程度を獲得していた公明党が、10議席程度でも構わないから自公連立を優先すると考えるなら、下駄有りの結果になるだろう。そんなことは公明党組織票の人たちも許容しないと思うのだが・・・


 なお一票の格差については、どう計算すれば各選挙御制度間で正しく比較できるのか悩んでいるのだが、得票数比較(最大得票落選÷最小得票当選)では1.87倍、議員1人あたりの選挙当日有権者数比較(最大有権者数÷最小有権者数)では5.75倍となっている。



 以下には、第47回衆院選小選挙区の得票結果に基づくシミュレーション結果を【表2】に示す。

 この結果は「選挙制度考察2_自公連立(組織票)の弊害~第47回衆院選~」で示した公明党組織票6.5百万票による自民党の底上げを除いたものである。

 つまり、この選挙で小選挙区に立候補した自民党議員は283名だったので、単純に割り算して1人当たり約2万3千票が上乗せされたと仮定し、各候補者の得票数から差し引いた。


【表2】第47回衆院選の小選挙区得票数を基にした議席シミュレーション  データまとめ 51%の真実 B4
定数(475) 定数(475) 定数(465)
小選挙区割り得票率方式全国区制 小選挙区割り得票率方式全国区制(注2) 小選挙区比例代表並立制(注2)
公明党組織票下駄無し 公明党組織票下駄有り
党派 得票数 得票率 議席 議席率 得票数 得票率 議席 議席率 議席 議席率
自由民主党 18,961,449 48% 241 51% 25,461,449 48% 278 59% 290 61%
公明党 7,265,390 1% 9 2% 765,390 1% 9 2% 35 7%
与党小計 26,226,839 49% 250 53% 26,226,839 49% 287 60% 325 68%
民主党 11,916,849 23% 145 31% 11,916,849 23% 128 27% 73 15%
生活の党 514,575 1% 4 1% 514,575 1% 4 1% 41 9%
次世代の党 947,396 2% 6 1% 947,396 2% 5 1% 2 0.4%
日本共産党 7,040,170 13% 9 2% 7,040,170 13% 4 1% 21 4%
維新の党 4,319,646 8% 46 9.7% 4,319,646 8% 35 7.4% 2 0.4%
社会民主党 419,347 1% 2 0.4% 419,347 1% 2 0.4% 2 0.4%
無所属(注1) 1,511,242 3% 13 3% 1,511,242 3% 10 2% 9 2%
その他 43,726 1% 0 0% 43,726 1% 0 0% 0 0%
野党小計 26,712,951 51% 225 47% 26,712,951 51% 188 40% 150 32%
合計 52,939,790 100% 475 100% 52,939,790 100% 475 100% 475 100%
注1:数値には自由民主党の追加公認1名分を含む            
注2:小選挙区割り得票率方式全国区制、小選挙区比例代表並立制には公明党組織票下駄有り
●得票数       ●得票数      
最小得票当選 32,429 最小得票当選 39,178  
最大得票落選 61,902 最大得票落選 70,074  
一票の格差 1.91 一票の格差 1.79  
   
  ●選挙当日有権者数(議員1人あたり) 
  最小有権者数 -  
  最大有権者数 -  
          一票の格差 -(注3)   
注3:一票の格差が算出できなかったのは、福岡第一区で当選者がゼロとなってしまった為である・・・
※間違い修正 2019/01/27 【表2】の維新の党と生活の党の結果が入れ替わっていましたので、(茶色の部分の)党派・得票数・得票率の数値を入れ替えました。今更ながらで大変申し訳ありません・・



 第47回は、比例代表制(みんなの党案)・小選挙区制・中選挙区制のシミュレーション結果は算出していないので、表示している結果だけでの比較になるが、上記の第48回の結果と同様の結論が導かれるのではないと思っている。

 なお、第46回と第45回の衆院選のデータは各県のホームページで探したのだが、一部歯抜けになって正しいシミュレーションが出来そうになかったので、途中であきらめてしまった・・・


 さて、5回に渡って理想的な選挙制度について検証してきたが、今年中に私の考える最も理想的な選挙制度の結論を出すという目標は何とか達成できたと感じている。

つまり、小選挙区割り得票率方式全国区制(B4式小選挙区制)が、私の考える最も理想的な選挙制度であるという結論は現時点で変わらない。

  ただし、当選者が出ない選挙区が発生する可能性がある問題や一票の格差の評価そして公明党組織票の影響の深堀などいくつか検証すべき問題が残っていることも確かだ。


 そしてこれが一番の問題なのだが、どの選挙制度であっても又その影響の程度は違えど、やはり自公連立(公明党の組織票)の弊害からは逃れられないこともはっきりした。

 公明党の組織票の影響を排除するには、有権者が選挙に参加し投票率を上げるしか方法は無いのだ。

 投票したい議員がいない、投票しても何も変わらないなどと言って棄権している有権者には、このことをもう一度よく考えて欲しいと思っている。


p.s.

 「理想的な選挙制度を考える」シリーズは一区切りついたので、これで一旦終了とします。


追記 2018/12/30
 茶色の部分を修正・追記しました。



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最終更新日2019-10-27
Posted byB4

Comments 2

There are no comments yet.
mew  
劇薬緩和

B4さん、おつあかれさまです。
まだ忙しいので、投稿の中身については年末年始にじっくり読むことにして・・・


ちゃんと番組を見ていないのだけど。NHKで小選挙区の特集をやってて、
「劇薬」だったと語っていたとのこと。

中選挙区に戻せない場合、この「劇薬度」をいかに緩和させるかが、
大きな課題になるんだな~と思ったです。

あと公明党の存在ね~。早く自公連立を崩して、個別の政党として活動するように
仕向けないと・・・日本の民主主義をこれ以上、ゆがめて欲しくないっす。

よいお年をお迎えくださいね。(^^)/

2018/12/28 (Fri) 12:40 | EDIT | REPLY |   
B4  
Re: 劇薬緩和

mewさん、コメントありがとうございます。

> まだ忙しいので、投稿の中身については年末年始にじっくり読むことにして・・・

第47回衆院選のシミュレーションでは、「たとえば1選挙区に5~6人立って、TOPの得票率が低かった場合、TOPでも当選しないことがあり得る」という懸念が実現してしまいました。(福岡第1区)
公明党下駄無しでは、第47回でも第48回でもそれぞれ別の3つの区が当選ゼロでした・・・

この対策には以下の3つの案(2つは例外条件の追加)を考えているのですが、どれが良いかそれともこのままが良いのか迷っています。
1.当選ゼロの区が発生したら、例外としてTOP当選者を当選とし、その分定数を増やす
2.当選ゼロの区のTOP当選者を、当選した議員で当落得票率が低かった当選者と入れ替える(定数は増やさない)
3.当落得票率TOPの議員は必ず当選(選挙区数と同数)とし、残りの定数分を残った議員の当落得票率の高い順に当選とし埋める(これが“一人一票小選挙区比例代表並立制”の考え方に最も近いのかもしれない)

ただし現状の検証は現在の小選挙区割を流用しているので、各区の有権者数の差が最大ー最小で20万人程度あり、この差を最小にした場合にどうなるかを見極めてから判断しなければならないと思っています。
そしてこれは、これまでの検証にも言えることですが、公明党の組織票の割り振りがどの区にどの程度あるのかをもっと正確に計算できなければ、(理想的な選挙制度の判断を含め)正しい判断は出来ないと考えています。

ただこれは非常に難しいので、来年は参院選の選挙制度について考えるところから少しずつ手をつけて行きたいと思っています。7月に参院選があるし、今週また「衆参W選」の話題が永田町で出ていたようですし。
ttps://twitter.com/tsuda/status/1077795884560044033
(私は「消費増税凍結を問う」は使うと思っていますが、衆参W選の有り無しは「憲法改正議論の進み具合」と「どの方法が最も衆参で改憲派を2/3以上確保できる可能性が高いか」で決まると考えています。)


> ちゃんと番組を見ていないのだけど。NHKで小選挙区の特集をやってて、
> 「劇薬」だったと語っていたとのこと。
>
> あと公明党の存在ね~。早く自公連立を崩して、個別の政党として活動するように
> 仕向けないと・・・日本の民主主義をこれ以上、ゆがめて欲しくないっす。

12/22(土)PM9:00(再12/27(木)AM1:00)のNHKスペシャル「平成史 第3回“劇薬”が日本を変えた~秘録・小選挙区制導入~」のことですね。大越健介氏を久しぶりに見ましたが、もっともっとNHKの表舞台でスポーツ関連だけでなく時事問題などでも活躍できるようになって欲しいです。
番組の内容は当時の舞台裏を知ることができるので非常に面白かったのですが、妥協の産物として誕生した“小選挙区比例代表並立制”の負の部分にもっと焦点をあてた続編を期待したいです。特に自公連立(公明党の自民党への選挙協力)については、終盤で1分ほど神崎元代表の言い分を垂れ流しただけなので・・・

それでは、mewさんも良いお年をお迎えください。

2018/12/30 (Sun) 11:48 | EDIT | REPLY |   

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